静岡で給食づくりに情熱を注ぐ管理栄養士の原点

 

私は静岡支社で管理栄養士として勤めています。
支社のある静岡市清水区は海と山に囲まれ、温暖でのんびりのどかな程よい田舎町です。

父の仕事の都合で生まれてすぐからあちこちを転々としましたが、小学3年生の時にここ清水に落ち着きました。
母は料理好きで食べることも大好きでしたが、私は小柄で超小食で、好き嫌いはそれほどないものの、とにかく食事に時間のかかる子供でした。
「はい、かみかみこっくん!もぐもぐこっくん!」と母に急かされながらの食事時間は辛く、小学校の給食はいつも掃除時間にずれ込み、食べ切れないパンを何度コップに押し込んで持ち帰ったことでしょう…。

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そんな私が管理栄養士を目指し、今こうして地元で給食づくりに携わっているのには、たくさんの理由があります。
父の転勤で暮らした海外や日本各地の食文化に触れたこと。
料理好きな母を手伝って一緒に作り、家族が「上手!美味しい!」と食べてくれたこと。
母が30代で糖尿病を発症し、大好きな「食べること」を自制する生活になったこと。
10歳下の弟が離乳食をもりもり美味しそうに完食してくれるととても嬉しかったこと。
当時清水の小学校のほとんどが自校給食で、出来立ての、いい匂いのする美味しい給食だったこと。

そして何より一番影響が大きかったのは、高校受験が終わった中三の春休み、知り合いに頼まれていちご狩りのお手伝いをした時の体験です。
静岡市の久能海岸沿いは山の斜面を活かした「石垣いちご」が有名で、多くのいちご農家が並んでいます。
元旦からゴールデンウィークの期間いちご狩りが楽しめ、遠方からも観光バスがたくさんきます。
ひっきりなしに訪れるお客様をハウスへ案内し、ミルクを渡して説明し、売店ではお土産を売り、箱を組み立てたり、手づくりジャムの様子を見たり、トイレ掃除をしたり…、それはそれは目の回るような忙しい日々でした。

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お昼休憩には今はなき街中華「大華園」さんの出前で好きなものを取ってくれ、隙を見て交代で食べるのですが…。
働いた後のご飯の何て美味しいこと!
私は初めて「お腹空いた~!」という感覚を知り、心から食事を待ち遠しいと感じ、朝から「今日は何頼もっかな~♪天津飯にしようかな、焼き肉丼かな…」と食事を楽しみにする自分に驚いたものです。
ご飯ってこんなに楽しいんだ!元気の素なんだ!と、ご飯が食べられることに幸せを感じたこの体験が、働く人達に温かく健康的で、美味しい楽しいお食事を届けたい!の原点になっています。

また大学進学で地元を離れて初めて、静岡には鮪や桜えびや黒はんぺん、いちごやみかんなど特産品がたくさんあること、水や空気がおいしいことを実感し、私を「静岡へ帰りたい」という気持ちにさせました。

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東西に長い静岡県は食文化の違いもあり、50食程度の小規模社員食堂から、100食、200食、400食…メニューアイテム数や価格、厨房や食堂フロアの規模、ひとつとして同じ事業所はありません
それでも、全てに同じことは「給食を楽しみに待っていて下さるお客様がいる」ということです。

あの時の気持ちを胸に、皆様が心満たされるお食事提供を目指して、これからも私の管理栄養士の道は続きます。

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