腸内環境が健康について影響するというお話、最近よく耳にしませんか?
私たちの体の中には、100兆個もの腸内細菌が住み着いています。
それが種類ごとに固まって、腸内の壁に張り付いてお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ぶそうです。
腸内フローラを構成する腸内細菌の種類や数は人それぞれですが、それを決める大きな要素は日々の食事。
腸内環境についての研究が進む中で、私たちの体に良い働きをする菌(善玉菌)が増えることによるメリットも次々に分かってきているようです。
「腸の状態」を整えることが「体全体の状態」を整えることを再認識して、腸内フローラを良くすることを考えていきたいですね。
ではその「メリット」とは?
1.免疫力を上げる
食事などで腸内環境を整えると腸内フローラの善玉菌が増え、その増えた善玉菌が免疫力を上げる働きをしてくれます。
コロナ禍も、3年目でありながら収束の見込みが立たない今日この頃。
日々の活動を止めないでコロナと付き合っていくためには、免疫力を高めることが必須ですね。
同様にがんとも関係が深く、特定の善玉菌があることでがんの進行を抑制するという報告もあるそうです。
また花粉症などのアレルギー反応も、善玉菌が増えることで緩和されます。
2.太りにくい体質になる
「やせ菌」という言葉を聞いたことはありませんか?
痩せている人、太っている人は、腸内フローラのバランスが異なり、痩せている人からは脂肪を燃やしやすくする「やせ菌」が多く発見されるというお話です。
そのため、食生活で腸内環境を整えていくことで、やせ菌が増えて太りにくい体質になります。
バランス良い食事で腸内フローラを整えながらダイエットをすると、【体重を落とす→やせ菌が増える→やせ菌が働いて、これまでより太りにくい身体になる】という正のスパイラルが、成り立っていくのですね。
食事を抜くなど、単にカロリーを減らすダイエットでリバウンドを繰り返している方は、腸内フローラの改善を視野に入れてはいかがでしょうか?
3.ストレスの軽減
便秘や下痢など…。
腸内環境が良くお通じが順調だと、スッキリとして気持ちも晴れますよね。
ただそれだけでなく、良い腸内細菌がストレスを緩和するというデータがあるそうです。
「腸に不要な物が溜まっていない状態」によりストレスを感じないだけでなく、腸内細菌そのものにストレスを下げる働きがあったとは!腸内環境の大切さを改めて感じますね。
さらに、運動をすると特定の腸内細菌が増え、その働きにより運動パフォーマンスが上がるという報告もあります。
まだまだ未知の部分も多いですが、腸内フローラは私たちの行動に合わせて変わり、その状態を維持するように働いていることが分かります。
恩恵を受けて良いスパイラルを作るのか、悪循環に陥ってしまうのか…。
腸内菌を味方にできるかどうかが、私たちの身体にここまで影響があるとは、ひと昔前には考えなかったですよね。
そこで、ここからは腸内フローラを整えるポイントを整理してみましょう。
運動やストレスなども関係しますが、やはり一番影響が大きいのは食事。
善玉菌を増やすキーになるのは、善玉菌を含む食材を取り入れること、善玉菌を増やす食材を取り入れること、になります。
【善玉菌を含む食材】
ビフィズス菌や乳酸菌。
年齢と共にこれらの善玉菌は減っていくため、食べ物でも補給していきましょう。
これらを含むのは、ヨーグルト、納豆、味噌、キムチやぬか漬けなどの発酵食品。
牛乳よりヨーグルト、豆腐より納豆のように、同じ食品群でも発酵している物を優先的に選ぶと良いですね。
ただ、これらの菌は定着しないそうなので、習慣付けて食べることがポイント。
漠然と「積極的に食べよう」と考えても、意外と忘れてしまいがちなので「必ず同じタイミングで食べるもの」を決めておくと良いですね。
特に朝食はパターン化した方が用意も楽なので、パン食なら必ずヨーグルトを食べる、和食なら納豆と味噌汁をとるなど、発酵食品のルーティーンを作るのがお勧め。
あなたのスタイルを決めて、コンスタントに善玉菌を補給していきましょう。
【善玉菌を増やす食材】
善玉菌を住み着かせて増やすためには、エサをあげることも重要です。
善玉菌のエサは、オリゴ糖と食物繊維。
毎日食べるヨーグルトに、オリゴ糖を加えるのも1つの方法。
ただオリゴ糖は、大豆、玉ねぎ、長ねぎ、ごぼう、バナナなどの身近な食材から摂ることもできます。
これらの野菜や果物なら、オリゴ糖と共に食物繊維も補給できて一石二鳥!
味噌汁を飲むなら最後に長ねぎをトッピングするのも、続けやすい方法かもしれません。
ごぼうは金平や煮物、ピクルスなど、作り置きも可能です。
朝は野菜をとる時間がないという方は、朝食にバナナ1本プラスすることを習慣付けるのも良いですね。
また普段から野菜不足を感じる方は、効率的に食物繊維が摂れる、きのこや海藻類も意識して食べたいところ。
特に海藻は、日本人特有の腸内細菌のおかげで、分解してエサとして利用できるそうです。
汁物やサラダの具にワカメを使う、ご飯や麺類に海苔を足すなど、色々なシーンで使って下さいね。
日本人だからこそ受けられる恩恵なので、積極的に活用していきましょう。
そして悪玉菌を増やしてしまうのが、肉や魚、卵や乳製品などの動物性食品、脂肪や糖質に偏った食事。
良いものは摂っているのに腸内環境が良くない…と感じたら、これらの量を控えることも大切です。
最後に、腸活がうまくいっているかは自分の便を見てチェックしましょう。
毎日、柔らかい、バナナのような便が出ていますか?
色は黄褐色で臭いの少ないものが良いと言われています。
定期的に出ているのか、色や硬さ、臭いがどうかなど、毎回注意して見るようにしたいですね。
もし便の状態がイマイチだったら、前日の食事や生活リズムを振り返り、食べる物や過ごし方の工夫を!
便は腸内フローラの鏡であり、健康のバロメーターです。
免疫力向上にダイエット、ストレス解消…。
現代人のお悩み解決に効果的な腸内細菌を味方に付け、正のスパイラルでスッキリ快適な生活を送って下さいね。
エミ