料理に欠かせない調味料の一つに、みりんがあります。
みりんは主に多糖類で構成されているため、ショ糖が原料の砂糖より、まろやか甘みを出すことができます。
また、みりんに含まれる糖類には、表面に被膜を作りおいしさを保つのと同時に、テリやツヤを与え、料理の見た目もよくします。
2019年10月より、消費税率が上がりました。
同時に、一部の対象品目に通常の税率を軽減した軽減税率も導入されました。
飲料食品や調味料などは、そのほとんどが軽減税率の対象品目になるのですが・・・。
みりん風調味料は軽減税率の対象である一方、本みりんは10%、という話題を耳にします。
「みりん風調味料」と「本みりん」。
2種類あることは何となく知っていても、どんな違いがあるのかご存じでしょうか?
また、どのように区別して使っていますか?
・違いは?
本みりんは、もち米・米麹・アルコールを、長時間じっくり熟成して作られます。
こうすることで、アミノ酸や糖類などの旨味がでます。
みりん風調味料は、ブドウ糖や水あめなどの糖類・米・米麹などを短時間で混ぜ合わせて作られます。
また、本みりんは14%ほどのアルコールが含まれているのに対し、みりん風調味料にはアルコール1%未満です。
そして塩を加えて飲用できないようにしてあるため、酒税がかかりません。
本みりんには酒税がかかっているので、少し高価になります。
また、酒類に分類されるために、軽減税率の対象とならないのです。
・使い分け
基本的には同じような使い方ができますが、アルコールによる素材の臭み消しや味の浸透を期待する料理には、本みりんを使うのがおすすめです。
アルコールを含んでいるため、煮込まない料理に本みりん使用するときには、煮切ってアルコールを飛ばし「煮切りみりん」として使いましょう。
一方で、加熱を必要としないあえ物などには、みりん風調味料を使うのがおすすめです。ただし、塩分を含むため調理時は注意しましょう。
同様に清酒と料理酒もありますね。
清酒が酒税対象に、料理酒は軽減税率対象になります。
料理酒に含まれる食塩は、浸透圧が高いため、料理酒入りの水に食材をつけておくと、旨みが溶け出してしまうことがあるそうです。
一方清酒は、うまみ成分を素材の中までしみこませる効果があります。
素材の旨みをしっかりとじこめたいときは、清酒を使うのがおススメです。
いずれも料理の「さしすせそ」には含まれていませんが、煮物に加える場合は、砂糖同様最初に加えるのがよいでしょう。
みりん風調味料・料理酒とも、使い方は本みりん・清酒と同じようなものですが、調理効果には差があります。
料理の内容や使える金額、食べていただく方の好みによって、その時々にあったものを使っていきましょう。
今回の記事を参考に、皆さんも上手く使い分けてみてください。