年齢と共に悪化しやすくなる血液の数値。
中でも、コレステロールが気になる方は少なくないと思います。
コレステロールはホルモンの材料になったり、血管を丈夫にしたり、体に欠かせない成分。
ただ、余り過ぎにより血管が詰まってしまうなど、弊害が出てきます。
食生活を見直すことで上手にコントロールして、血管を元気に保っていきたいですね。
健康診断では、中性脂肪と共にＨＤＬ、ＬＤＬの２つのコレステロールを調べるのが一般的。
ＨＤＬは血中の余分な脂質を肝臓に運んで血管を詰まりにくくするコレステロール、ＬＤＬは血管に溜まって詰まりの原因になるコレステロールです。
これらは体重を落としただけでは改善しにくいため、多くの方がコントロールに苦戦されています。
ＨＤＬは低すぎると問題になりますが、増やすポイントはトランス脂肪酸を控えること。
トランス脂肪酸は、パン、市販のクッキーやケーキなどの洋菓子に多く含まれています。
食事を菓子パンで済ませている、間食でお菓子が習慣付いている方は内容の見直しをしてみましょう。
パンをおにぎりに変える、おやつをナッツや高カカオチョコに変更するのもお勧めです。
炭水化物の摂り過ぎもＨＤＬを悪化させるリスクがあるため、おかずを一緒に食べる事も大切になります。
ラーメンとご飯、そばとおにぎりといった、炭水化物同士の組み合わせもＮＧです。
また、ＨＤＬ改善には運動も重要。
ガッツリやらなきゃ意味がない！と思われがちですが、１日の歩数が増える事で改善されると言われています。
短い時間でもＯＫなので、数分単位でもより体を使う場面を増やしていきましょう。
ＬＤＬを下げるためには、肉や卵、乳製品などに多い飽和脂肪酸を摂り過ぎないことがポイント。
バラ肉を避けて赤身やささみにしたり、魚や大豆製品がメインの食事を増やしたりすることも大事です。
乳製品は、低脂肪乳や低脂肪・無脂肪ヨーグルトなど、脂肪がカットされている物を選ぶと効果的。
飽和脂肪酸は摂取エネルギーの７％未満にすることが推奨されています。
食べられるエネルギー量が少ないとハードルが上がりますので、運動で消費を増やすのはＬＤＬを下げるためにも大切ですね。
コレステロールの高い卵を控えるべきかどうかは、過去には色々な見解がありましたが、現在ＬＤＬが高い方は、食品からのコレステロールの量を１日２００mg未満にすることが推奨されています。
また、飽和脂肪酸が多いことも考えると、ＬＤＬを下げたい方は２日に１個を目安にするのがお勧めです。
そして、ＬＤＬを下げるためには、脂肪エネルギー比率は３０％未満にすることが推奨されています。
ご飯を豆腐に置き換えるという話をよく聞きますが、大豆は絞って「大豆油」が作られるほど油も多い食材。
さらに、糖質制限でご飯を減らす方は、その分肉などのおかずが増える傾向にあります。
これにより、飽和脂肪酸の量が増えて、ＬＤＬを悪化させる原因になり兼ねません。
これらの視点から、主食を揃えて食べることも、血清脂質を正常に保つために抑えておきたいポイントです。
そして、食物繊維の多い野菜や海藻類、きのこ類は、より多く食べることが大切。
数値改善のためには、食物繊維は１日あたり２５gが推奨されます。
一般的な推奨量より５g前後多いので、毎食必ず野菜を食べるのはもちろん、１日１回以上、海藻やきのこ類も食べることを意識していきましょう。
ちなみに、ご飯１杯も約３g程度の食物繊維が含まれます。
主食を一緒に食べる食事は、食物繊維の確保においても貢献していることが分かりますね。
ところで、これらのＨＤＬ、ＬＤＬを改善する食事を実践しているつもりでも、数値が改善されないケースもあります。
体質や年齢によるホルモンバランスの変化も関係するので、悩ましいですね。
その場合は、いかにＬＤＬに悪さをさせないか？を考えることで、冠動脈疾患などの怖い症状のリスクを減らすことができます。
そこで注意したいのは、ＶＬＤＬと呼ばれる超悪玉コレステロール。
これこそが、血管内に潜り込んで詰まらせ、怖い症状を引き起こす原因となるそうです。
ＶＬＤＬは内臓脂肪が溜まることや、中性脂肪や血糖値が高い状態で酸化が進むことでも増えやすくなります。
これらの値が高い方は、数値を改善してＶＬＤＬによる悪影響を防止していきましょう。
体重が多い方は減量が効果的なので、しっかり良く噛んで食べ、低カロリーな食材を増やしていきたいですね。
具体的な方法は、過去のダイエットの記事（食べ方編、食べ物編）もご参照下さい。
そして、ＬＤＬが酸化されないために、野菜などの抗酸化作用の高い食材を積極的に食べておくこともお忘れなく。
コントロールが厄介なコレステロール。
いくつかの視点で食生活を振り返り、あなたの身体のためにできることを探してみて下さいね。
エミ
