食事でつくる、より良い未来。認知症予防に必要な食事は?

 

年齢と共にリスクが高まっていく認知症
高齢化が進む今、2040年には65歳以上の3人に1人が認知症か、その前段階の軽度認知症障害になると見込まれ、国としてもその対策を模索しています。

認知症は、脳の神経細胞が徐々に死んでいってしまうことや、脳梗塞や脳動脈硬化などの理由で神経細胞に栄養素が行き届かないことが主な原因だそうです。
そのため、脳トレや運動により脳の神経を刺激したり、血流を促したりすることが、予防のために大切と言われています。

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同時に、食事で神経細胞に必要な栄養を摂り、それがきちんと届けられるように健康な血管や血流を維持することも重要。
普段の食事を整えて、認知症になりにくい体づくりをしていきたいですね。

では認知症予防のポイントは?

 

◎脳を元気にする栄養素

脳の細胞膜の成分になるDHAと、動脈の柔軟性を保つ働きがあるEPA
これらのn-3系脂肪酸は認知症予防のために十分摂っておきたい栄養素です。
食事摂取基準では、20代では男性2.0g/日、女性1.6g/日が目安量ですが、50代ではそれぞれ2.2g/日、1.9g/日と上がっていくため、若い頃より意識して摂る必要があります。
これらを多く含むのがサバやイワシ、ブリなどの脂の乗った魚類、そしてクルミやチアシード、エゴマ油やアマニ油など。
n-3系脂肪酸の目安量を摂っていくためには、魚は週4回以上食べることがお勧めです。

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それが難しい場合は、間食としてクルミを食べたり、ヨーグルトにチアシードを入れたりするのも良いでしょう。
エゴマ油やアマニ油は、小さじ1杯で1日の目安量を満たすことができます。
サラダにエゴマ油と塩をかけてドレッシング代わりにするのも、手軽に脳の栄養補給ができる方法です。

 

◎脳の老化を防ぐ成分は?

脳が活発に働くとフリーラジカルが発生し、脳にダメージを与えます。
そのダメージを修復してくれるのが、抗酸化作用を持つ成分
ポリフェノールやビタミンA・C・Eなどが挙げられ、色の濃い野菜や果物、ナッツ類などで補給できます。

色の濃い野菜は全体的に不足がちなので、毎食野菜を食べることに加え、ブロッコリーやトマト、パプリカなど、色の濃い食材を積極的に食べましょう。
ほうれん草や小松菜、ニラなどの色濃い葉物野菜は、抗酸化成分が豊富なので、1日1回以上必ず摂るのがお勧め。
ベビーリーフや、最近よく見かけるようになったサラダ用ケールも、火を通さずに食べられる手間のかからない葉物野菜です。

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ビタミンEは抗酸化作用と共に炎症を抑える作用を持っていて、いくつか種類があります。
中でも、α‐トコフェノール、γ‐トコフェノールを組み合わせて摂ると、認知症予防効果を発揮しやすいそうです。
ナッツならクルミとアーモンドを組み合わせる南瓜とゴマを使って「南瓜のゴマ和え」にすることで、2種のトコフェノールをカバーできます。

 

さらに、ホモシステインが増えることにより、血管が傷付きやすくなって動脈硬化を引き起こし、認知機能の低下が起こりやすくなります。
それを阻止するのが葉酸
ホモシステインを代謝させて、減らす働きをしてくれます。
葉酸は、野菜や大豆製品など幅広く含まれていて、平均的には推奨量が摂れている栄養素です。

ただ、極端に食事量が少ない場合や、1つの食品に偏った食事では不足する可能性も高く、食生活が乱れやすい20代においては足りていません。
行き当たりばったりで何かを口にするのではなく、1日3度の食事を基本にしていきましょう。

そして、動脈硬化はいわゆるメタボリックシンドロームでリスクが高まります。
肉に偏らず魚の頻度を増やし、野菜や海藻、きのこ類を積極的に食べて体重コントロールをすることは、認知症の予防と共通する点です。
バランス良い食事は、様々な視点から恩恵があるということですね。

 

最後に、認知症に良い成分が分かっているなら、サプリで良いのでは?と思う方もいるでしょう。
ただ、認知症予防に良い効果が期待できる栄養素も、サプリメントから摂ることで違う病気のリスクを上げる可能性があり、むやみに頼るのはお勧めできません。
食材ではその報告がほぼない点を考慮すると、まずは食材で摂ることを大切にしていきたいですね。

バランスを考えるのは「面倒くさい」と切り捨ててしまわずに、季節や気候、体調や予算に応じて、料理の組み合わせを考え、脳を活性化していきましょう!
それが、豊かな食生活と認知症予防に繋がっていくはずです。

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人生100年時代、より良い状態で歳を重ねていくために、認知症予防に良い食生活を今から積み上げていって下さいね。

エミ

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・株式会社ケイ・エフ・ケイ
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