給食会社の栄養士が献立を作成する時に押さえるべき4つのポイント(福祉施設編)

給食会社に委託をお願いするようになれば、献立は給食会社が考えてくれます。
それまで施設側で行っていた献立作成業務を給食会社に任せることが出来るので、他の業務に時間を使うことが出来ます。

しかし、完全に任せてしまうことに対してこんな不安はありませんか?

  • 給食会社に委託するとコストと手間を省くために、いつも同じ食材や料理を使ってすぐにマンネリ化するのではないか?
  • 入所者の食事制限の対応や、施設側の要望を取り入れてくれないのではないか?

そこで今回は給食会社で実際に献立を作成している福祉施設担当の栄養士が、献立を作成するときに検討している4つのポイントについてお話ししたいと思います。

1.スケジュール

実際の進め方としては、まず締め切りに間に合うようスケジュールを決めています。

締め切り日は、給食会社と施設側の話し合いで決まります。
施設側は関係各所で献立チェックを行うのならば、そこから逆算して締め切り日の設定をします。

当然、給食会社側は締め切り日を遵守します。
そこが遅れると食材の手配などに影響が出る上、何よりも会社の信用を失ってしまいます。

2.コスト

委託契約時に定めた一食当たりの単価があるので、給食会社はそれに収まるように献立を作成しています。
一食あたりに使える金額に限度がある以上、給食会社も採算度外視に高価な食材や料理を!とはいきません。

当然、施設側の意向・要望を伺い、献立に反映していくのですが、施設側に寄り添いすぎてしまうとコスト面で折り合いがつかなくなってしまいます。
かといって、コスト面を考慮しすぎると施設側や食べる方の納得いただけない献立になってしまうため、とても難しいところです。

給食会社は食べる方の食の趣向の傾向を施設側からヒアリングし、人気メニューなどを把握、コスト的に使える食材で食べる方に喜ばれる献立を模索します。

コスト面、満足度ともにクリア出来るような献立が作成出来ればベストです。

3.禁止食材

様々な理由から入所者の方が食べることが出来ない、もしくは提供してはいけない食材です。

ただ、福祉施設によって使用禁止食品なども異なるため、一括りにはできません。
禁止食材の他にも食べにくいものなどを除外し、限られた食材の中でやりくりしていくことになります。

食材の組み合わせ、調理法、彩り、味付けなどを想像しながら決めていくのですが、実際に提供されるものを確認すると彩りが悪かったり、ボリュームが無かったりすることが多々あります。

4.食材の重なり

食材の重なりについては1日3食提供する施設ではとても大変です。
同じ食材が続いてしまうと、食べる方も飽きてしまうので気を付けなくてはなりません。

例えばキャベツや大根は、食べやすくてクセの無い食材なので幅広く使用できます。
こういった野菜については前日に付け合せでキャベツ、翌日には汁物の具という感じで調理法や味付けを変えて提供する場合があります。

ただ、施設によってルールがだいぶ異なってくるので、そこをしっかりと踏まえた上で献立を作成しています。
このルールもあまりガチガチにしてしまうと、献立の幅が狭くなってしまいます。
どの程度の重なりなら大丈夫か、調整していくといいでしょう。

 

このようなことに留意し、施設ごとに設定された目標栄養量に近付けます。

しかし、数値は満たしていても食べていただかなければ何の意味もありません。
無理のない献立になっていないかどうか、実際に食べる方にとって食べやすいものなのかどうかも大切です。

 

さて、いかがでしたでしょうか?
給食会社の栄養士は、ただ機械的に献立を作成しているわけではありません。
限られた条件の中、出来るだけ質の良い献立、サービスを提供することを考えています。
これは、どの給食会社でも同じことが言えます。

給食委託を検討される際に、判断材料のひとつにしていただければと思います。

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