春と言えば、年度始めで環境の変化が起こりやすい時期。
新しい仕事や人間関係などで、普段よりストレスがかかりやすくなります。
緊張感が続き、気持ちが落ち込みやすくなることも。
この時期を元気に乗り切るために、食生活を整えてストレスに負けない体づくりをしていきませんか?
ストレスへの抵抗力を高める栄養素は、抗酸化作用のあるビタミン類。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが挙げられます。
加えて酸化ストレスの増加を抑えるビタミンB12、葉酸を十分摂っておくこともお勧めです。
とはいえ、ビタミンB12は通常の食事では不足しにくい栄養素。
葉酸も妊娠中で必要量が増す状況でない限り、不足するケースは少ないでしょう。
ただ、ストレスで胃腸を壊してしまうと、十分吸収できなくなり、体の中で利用できない可能性もあります。
キャベツやカブ、大根などの消化を促す野菜を取り入れつつ、冷たい飲み物の飲み過ぎに注意して、胃腸の調子を整えることが大切ですね。
全般的に不足がちな栄養素は、ビタミンAとC。
小松菜やほうれん草、ブロッコリーに多く含まれています。
果物では、みかんやオレンジの他、レッドグレープフルーツにも豊富。
そのまま食べるのはもちろん、サラダに入れても美味しいので、小松菜のベビーリーフと合わせて食べるのも良いですね。
ちなみに薬膳の視点でも、これらの柑橘類は体の中の巡りを良くして憂鬱な気持ちを解消する働きがあると言われています。
爽やかな柑橘系の香りで、さっぱりと気分をリフレッシュしましょう。
ビタミンEの多いアーモンドやアボカドは、サラダのトッピングにお勧め。
食感やコクが増して美味しくなる上、抗酸化成分を強化できます。
さらに、ドライマンゴーはビタミンACEの3点揃った優れ物なので、お仕事合間の間食に取り入れてみてはいかがでしょうか?
ところで、活動時に活発になる交感神経と、リラックスする時に優位になる副交感神経。
この自律神経のバランスが良い状態に保たれていると、気持ちも落ち込みにくくストレスとも上手に付き合いやすくなります。
これに貢献してくれる成分として、GABAが注目されています。
ストレスの多い時代を反映してか、チョコレートや甘いドリンクなどの嗜好品に、GABAが強化されている食品もよく見かけますね。
もちろん、リラックスするための甘い物の1つとしてGABA入りのチョコを選ぶのはOKです。
ただ、GABAが体に良いからと言って、チョコを大量に食べるのは避けたいものです。
チョコに含まれる砂糖の摂り過ぎにより、腸内環境を悪化させ、却って自律神経のバランスが崩れたり、他の生活習慣病に繋がるリスクも考えられます。
基本的に、GABAは野菜や大豆製品、果物、乳製品や漬物、調味料などの発酵食品に広く含まれているもの。
一般的な和食なら、必要量が摂れている可能性が高くなります。
まずは、食事を抜いたり、パンやカップ麺のみの食事にせず、おかずを揃えて食べることが大事です。
どうしても簡単な食事になりがち…という場合には、GABAの多い自然な素材を意識して選ぶと良いですね。
玄米や雑穀、そばなどの色の濃い主食類に多い傾向があります。
乳製品なら普通の牛乳より発酵したヨーグルトが、GABAをより多く摂れるチョイスです。
GABAを多く含むトマトジュースも、野菜を用意できない時に有益な1品になりますね。
また、野菜や果物に含まれる食物繊維や発酵食品の乳酸菌も、腸内環境を整えてリラックス効果を高めてくれます。
特に野菜の摂取量はどの年代でも足りていないため、これがビタミン不足の一因ということは、間違いないでしょう。
成人では、若い年代ほど食べる量が少ない傾向があるため、毎食野菜を食べる、毎日果物を食べることを心がけていきたいですね。
それが、抗酸化ビタミンとGABA両方の補給に貢献してくれます。
そして、ストレス軽減のためには、何といっても睡眠が重要です。
自律神経のバランスも整い、疲労回復して気持ちの落ち込みも防ぎやすくなります。
決まった時間に朝ごはんを食べる、アルコールは量を減らすか休肝日を増やす、シャワーだけでなく湯船に浸かって温まるなど、食生活の内容やリズムを見直してみましょう。
食事のポイントは、「睡眠の質を上げる!眠りに良い食習慣とは」も参照し、より深く眠れる方法を考えてみて下さいね。
知らず知らずのうちにストレスが重なる春。
食生活の工夫をすることで、皆様が少しでも快適に乗り切ることを期待しています。
エミ