完全食は健康食?!メリットとデメリットを整理しよう

 

私たちが病気にならずに生きていくために必要な様々な栄養素
これを単品で補えるものは、自然な食材の中にはありません
そのため、私たちは、ご飯や肉、野菜など、特徴の異なる素材を組み合わせて、必要な栄養素を確保しています。

難しいのは、ご飯は糖質のみ、肉や魚はたんぱく質のみ、ではなく、ほとんどの食材が何種類もの栄養素を含んでいて、その割合がそれぞれ違うということ。
単純な栄養素の足し算引き算ではなく、基準値という完成形に向けて、パズルのように組み合わせる必要があることかもしれません。
当然ながら、美味しい物を食べたいという欲もありますから、栄養面と美味しさの両立も重要です。

そんな中、話題になっている「完全食」。
1食に必要な栄養素がバランス良く1品でとれるという食品で、ドリンクやパンなど商品の種類も増えてきています。
中には、いわゆる「ジャンクフード」のイメージが強い商品を改良した「完全食」もあり、「あれなら毎日食べてもいいの?」と聞かれる事も。

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確かにメリットがある「完全食」ではありますが、果たして健康に良いものなのか?
メリットデメリットを整理しながら考えてみましょう。

では、まず完全食の使いどころは?
どんなシーンで使って行くと、メリットがあるのでしょうか?

基本的には、朝や仕事の合間で食事に時間がかけられず、これがないと食事を食べられないケース。
飲み物しか摂れない、パンしか食べられないといった場合に、完全食でコンパクトに必要な栄養素を補う事ができます。
足りない栄養素をサプリで補うより、最初から全て満たされている状態ならよりシンプルですし、気になるエネルギーなどが「過剰」にならないように配慮されている点も安心です。

よく聞くお悩みの1つに、夜間の勤務の時の食べ方があります。
夜間はバランス良く提供してくれるお店や食堂がほぼ営業していないことや、食事のために出歩きにくいなどの理由から、持ち歩きしやすいカップ麺や菓子パンが多くなってしまうそうです。
こんな場合には、インスタントのカップ物やパンでありながらバランス良く食べられる「完全食」にすることで、より体に良い食べ方ができると言えます。

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また登山など荷物を増やせないゴミを出せない時に、コンパクトに持ち歩ける完全食は便利。

海外に行く時にもカップ麺を持っていく方がいますが、それが「完全食」ならバランスまで整えられます。
軽くて日持ちする上に手軽に温かく食べられるこれらの商品は、出張で行き先の食事に不安がある時などに活用すると良いでしょう。

更に、災害時の非常食としてもピッタリ。
材料を仕入れるのも調理するのも、食事の事を考えるのも大変な中で、バランス良く食べられる完全食は救世主になりますね。

 

そして「完全食」をダイエット食として使う方もいます。
食事に置き換えることで、カロリーは控えめに必要な栄養素を補える、という考え方です。
確かに、忙しくて朝食や昼食を抜いてしまう…というより、完全食を飲む、食べることで活動に必要な栄養素が補えるため、余分なお菓子を食べにくくなりますし、次の食事でのドカ食い防止になりますね。

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筋肉量も維持しやすく、代謝が下がるのを防いでくれます。
逆に増量したいアスリートのような方にとっても、隙間時間で手早く食べられて栄養バランスが良い完全食は、質の良い補食になり得るでしょう。

 

一方で、完全食に頼った食生活では、どんなデメリットがあるでしょうか?

まず、色々な食材を組み合わせてバランス良く食べる時と、「完全食」を食べる時の大きな違いは、「食事のカサ」。
それにより、噛む回数が減ることの影響が挙げられるでしょう。

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例えばダイエットをする場合、私が最も効果的と考えてお勧めしているのは、「よく噛んで、舌に当たる食べ物の表面積を広げて無駄なく味わうこと」。ですが!「コンパクトに栄養素を満たしてくれる」のが売りの完全食は、それが実行しにくくなるのです。
この点、噛む回数が減ってしまう完全食は、不利になると考えています。

これまでも飲み物しか飲まなかった、パン1個しか食べていなかった、あるいは食事を抜いていた、という方であれば、栄養素のバランスが良くなることでメリットが上回るかもしれません。

ただ、これまでしっかり食事をしていた方が、完全食1個に切り替えてダイエットをする場合、全体のボリュームや噛む回数、食事にかける時間が減ることで、物足りなさを感じてしまう可能性も大。
そうなると、ダイエットの成功率はあまり高くないかもしれません。

実際、私も昔ドリンクの「置き換え食」を試したことがあるのですが、全くうまくいかず…。
食いしん坊な私としては、栄養素が揃っていようが満足できず、次の食事まで集中力も続きませんでした。

 

ダイエット以外のケースではどうでしょう?
これらのメリットが大きいと考えられるのは、「時間がない」「本来の生活サイクルと違う」といった、日々の生活としては理想的ではない状況下です。
あくまで「特別な機会」に対しては素晴らしい食品ですが、この状況が続くのは望ましくありません。
まずは本来の形で食事ができるよう、生活を振り返ることをお勧めします。

ただ、環境を整えることが却って苦しくなってしまう場合には、「完全食」を利用して心を軽くするのは良い方法ですね。

 

栄養バランスは健康づくりのために欠かせないものです。
ただ「食事」は単なる栄養補給ではなく、味や見た目を楽しんだり、食材で季節を感じたり、誰かと共有するなど…食事に関連する過程も、身体面や精神面の健康に繋がります。
完全食で整えられるのは主に「栄養」の部分であり、食事に伴う大切な要素が減ってしまう可能性も忘れてはいけません。

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もっと言えば、食事摂取基準に定められていない体調を整える成分もありますし、今分かっていなくても食材の中に大事な成分が含まれている可能性も大いにあります。
食材でバランスを摂ることは、大変で効率悪く感じるかもしれませんが、これまで気付かなかったメリットも含んでいるかもしれませんよ。

便利な「完全食」。
使う場合はメリットの大きいタイミングに絞り、あなたがより健康になる活用をして下さいね。

エミ

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