スギ、ヒノキ…とまだまだ続く春の花粉。
特に温暖化により増えたスギ花粉で、今年も既に辛い症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんな不快な花粉症、食生活で少しでも予防あるいは症状が軽減できたら嬉しいですね。
花粉症を軽減する栄養素としては、n-3系脂肪酸であるEPAやDHAがよく知られています。
魚や、えごま油、亜麻仁油の他、スーパーフードのチアシードなどに多く、食事摂取基準で決められている推奨量は平均的には摂れている状況です。
また、ビタミンDも免疫機能を整えたり、炎症を抑えたりする働きがあると言われていて、花粉症の症状緩和に十分摂っておきたい栄養素です。
日光に当たることで体の中でも作られますが、花粉の多い時期には外に出る頻度が下がってしまいがち。
働き盛りの年代においては、食事摂取基準で定められている目安量(8.5μg)の8割以下しか摂れていないことを考慮すると、これまでより増やす努力をしたいですね。
ビタミンDが多いのは魚と卵、きのこ類。
この中の卵の頻度は、生活習慣病の予防を考えると1日1個以下に留めるのが安心です。
魚の貢献度は高く、週1~2回しか食べない場合は、不足している可能性大。
n-3系脂肪酸が症状緩和に良いことを考慮しても、頻度を上げるのがお勧めです。
中でもサケとイワシは細かい種類による差はあるものの、全般的に多く含んでいます。
例えば、焼き魚によく使われる銀鮭は、1切れ80gで12μg。
週3回食べると、1日平均で5μgとなり、卵1個(1.9μg)と合わせて食べれば、約8割以上をカバーできます。
残りの不足分は、イワシの稚魚であるシラスをご飯のお供にしたり、きのこ類を毎日使うことで概ね補えるでしょう。
きのこの中ではキクラゲ、マイタケに多いため、どちらか1日1回以上使うと良いですね。
ビタミンCも炎症を抑えて花粉症の症状を緩和すると言われていますが、60歳未満の摂取量の平均値は、1日100mgの推奨量に満たない状況です。
熱に弱いため、生で食べる果物や野菜は効率良く補えます。
ただ、注意したいのは、野菜や果物でも花粉と似た症状が出る可能性があること。
トマト、キウイ、バナナなどは、手軽なビタミンC供給源ですが、食べた時に違和感があったら避けた方が良いでしょう。
春に多いスギ花粉に反応する方は、トマトでも症状が出る可能性が高いと言われます。
加熱することでアレルギー反応を防ぐことができるため、スープに入れたり煮たり…という方法が安心です。
粘膜を強くするビタミンAも、不足がちで積極的に摂りたい栄養素。
色の濃い野菜類に多く、ほうれん草や小松菜、ニラなどは豊富に含んでいます。
そして、春に出回る菜の花は、ビタミンAと共にCも多い食材。
季節を味わうためにも、ぜひ食べておきたいですね。
ブロッコリーもビタミンA、Cを多く含むため、付け合わせや炒め物などでどんどん使っていきましょう。
また、腸内環境を整えることは、免疫機能を整えるために大切です。
その視点から、ヨーグルトや乳酸飲料をルーティーンにする方もいます。
加えて、善玉菌のエサとなる食物繊維を十分摂ることも必要ですが、これも日本人に不足がちな成分です。
原因の1つは、野菜量が不十分なこと。
1日1回食べているからOKと考える方も少なくないですが、これではまず不足していると考えた方が良いでしょう。
1日に必要な量を補うためには、毎食何らかの方法で野菜を食べたいものです。
忙しい朝は、汁物に野菜をたっぷり入れて食べるのも、手軽な方法になります。
汁物に色の濃い野菜を入れてしまえば、ビタミンも補強できて、さらに効果的ですね。
その他の野菜では、オリゴ糖を含むゴボウや、アレルギー症状を緩和させるレンコンもお勧めです。
これらを使って金平にすれば、一手間で何回か食べられるお惣菜になります。
冷凍もできるので、多めに作ってモリモリ食べましょう。
野菜だけでなく、海藻類、きのこ類も、食物繊維量を増やすのに貢献度の高い食材です。
そして、ご飯の量を減らしすぎてしまうのも、要注意!
ご飯1杯約3gの食物繊維が含まれています。
アルコールを沢山飲むためにご飯を抜くパターンは、腸内環境を整える上では不利なのです。
ご飯を減らしたら、その分、野菜・海藻・きのこ類を増やすことも、セットで実行していきましょう。
多くの方にとって厄介な時期ですが、改めて食生活を見直すことで、少しでも快適に過ごしたいですね。
エミ