社員食堂を見直す際には、食堂にかかっているコストの算出が不可欠です。
厨房施設や厨房機器、食器・什器、食堂ホール、食堂事務所といったイニシャルコスト(補充・修理含む)。
食堂および厨房で使用する光熱水費および空調費といったランニングコスト。
それから、給食会社にお支払いしている業務委託費(人件費・運営経費)
大きく分類すると3つに分けられます。
そのほかに、ご利用者が負担する食事代があります。
給食会社にお支払いしている業務委託費の大半(7割前後)は厨房で働くスタッフの人件費です。
そのほかに現場経費と一般管理費となります。
そのため現在の業務委託費が適正かどうか判断することは、人件費が適正かどうか判断することとほぼ同義となります。
給食会社の営業マンが業務委託費を算出する際には、30~40食あたり1名の厨房スタッフという基準で算出します(食数規模が大きくなれば、この数値は若干圧縮されます)。
ですから100食の昼食を提供する社員食堂なら、3~4名のスタッフが必要という計算になります。
3~4と人数に幅を持たせているのは、その食堂の運営スタイルによって必要な人員数が変わるからです。
分かりやすく説明すると1種類の定食を提供する食堂より、定食2種類と麺とカレーを提供する食堂の方が、総食数が同じ食数ならば(この例では100食)、カウンターに配置しなければならない人員が多くなります。
言い換えれば、人員が多く配置できればその分だけサービスの充実につながります。
少し前に話題になったチェーン店のワンオペが出来るのは、メニューの画一化とマニュアル化の徹底によって労務の圧縮を突き詰めたからです。
それと引き換えにサービスの質は低下し、労働環境は劣悪となり、社会問題にまで発展しました。
つまり、食堂にかかるコストを抑えることは大事ですが、コストだけを追求すると食堂のサービス低下を招くことになります。
サービスの低下は顧客満足度の低下につながり、最悪の場合、利用者数減少になりかねません。
利用者数の減少は、社員食堂の価値自体が問われる事態です。
ですから、給食会社に支払っている業務委託費をチェックする際には、金額だけではなく、現在の食堂の利用者数と提供されているサービスという要素を加味して判断することが不可欠なのです。
まずは、30~40食当たり1名という基準で、皆さんの会社の、社員食堂の運営の人員体制を見つめ直すことから始めてみませんか?