春に旬を迎える海藻類。
この時期は、魚の専門店やスーパーなどで「新」ワカメや「生」のメカブを目にするようになりますね。
色々な形で保存しやすく、年中出回っている食材ですが、あまり意識して食べていない方も多いのでは?
食卓に上がらなくても違和感がないため、意外と忘れられてしまいがちなのも事実です。
しかし、海藻類には健康上の恩恵がいっぱい!
振り返れば、「味噌汁の具に時々入っている程度」という方は、ぜひもっと活用して頂きたいですね。
美味しい海藻が出回るこの時期に、改めてその良さについて見直してみましょう。
海藻類の特徴は、不足がちな食物繊維が多く含まれていること。
特に海藻のヌルヌル成分である水溶性の食物繊維は、糖の吸収を緩やかにして腹持ちを良くしたり、便秘解消にも貢献してくれます。
日本人の食物繊維の目標量は、男性21g以上、女性18g以上ですが、これは摂取量の少ない私たちの現況に合わせた数値です。
生活習慣病予防や死亡率を下げる視点だと、男性なら少なくとも30g以上、女性なら25g以上(摂取カロリーにより変動)必要という説も。
1食で一気に摂るのではなく、毎食小分けに食べる方が、目標量も満たしやすく食べ過ぎ防止や数値のコントロールにも効果的です。
また、海藻には健康上の恩恵の多いミネラル類が多いという特徴もあります。
中でもカルシウムや鉄は、動物性の食材の方が吸収が良い一方、それらだけに頼るとカロリーや飽和脂肪酸などが過剰になり、他の生活習慣病につながる可能性も。
海藻を併用することで、バランスを保ちながらミネラル補給をすることが出来ますね。
ただし、極端な食べ方をするとヨウ素が過剰になるため「1食あたり1品」が目安です。
ちなみに、海藻は単純に便秘解消するだけでなく、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きもあります。
しかも、海藻を分解できる腸内菌を持つのは日本人のみ。
欧米人が食べても、この効果は得られないのです。
日本人の特権、しっかり利用しないと損ですね!
では、ここからは具体的な食べ方について考えてみましょう。
まずは「朝ごはんに野菜を用意することができない」という方、ここで海藻を使ってみてはいかがですか?
和食であれば、味噌汁の具のほか、ご飯に海苔を添えるだけでも構いません。
海苔の食物繊維は1枚で何と1g!
「たかが海苔1枚…」と思うかもしれませんが、されど海苔で日々積み重なると大きな効果になります。
海苔や昆布の佃煮でも良いのか?という質問もよくありますが、佃煮はご飯が進むように濃く味付けられていて塩分も高いため、デメリットも大きくなります。
漬物やふりかけ同様と捉え、ご飯のお供の1つに留めて下さいね。
朝はコンビニで調達し、通勤時の車中や会社のデスクで食べる方は、「おにぎり」を上手に活用して。
最近は白おにぎりから赤飯、チャーハンなど、家庭で作る物とは異なる幅広い種類のおにぎりがありますが、「海苔」の巻いてある物を選ぶのがポイントです。
納豆巻きのような「海苔巻き」も、おにぎり同様片手で食べやすいお勧めのアイテムになります。
また、朝食がパン食なら「ワカメスープ」「もずくスープ」などをお供にしてみましょう。
お湯を注ぐだけのインスタントの物であれば、準備の手間もなく手早く用意できます。
もう一手間かけられる方は、ネギや水菜などの生野菜をトッピングし、野菜も一緒に増量してしまうと、さらにバランスアップしますね。
そして昼食にカップ麺の頻度が高い方は、カットワカメをトッピングしてみては?
食物繊維が油の吸収を抑えたり、海藻の抗酸化作用がカップ麺の酸化した油の影響を和らげる効果が期待できます。
カリウムも多く、塩分を身体の外に出しやすくするメリットも。
カップ麺と一緒に購入して常温保存できるので、職場に冷蔵庫がなくても実践しやすいのが利点です。
もちろん、食堂が利用できて小鉢がチョイスできる場合は、ひじきの煮物やワカメの酢の物、海藻サラダなど、色々な海藻料理に手を伸ばしてみて下さいね。
さらに、夕食には買い置きできて1品になるパックのメカブやモズクが便利。
海藻類は肝臓の働きを助けてくれるので、おつまみとしても相性の良いおかずです。
低カロリーでありながら、しっかり摂りたい栄養素を補強できる海藻。
日々の食事に少しずつ添えて、健康管理の味方にしていきましょう。
私たちは、その恩恵を最大限に得られる日本人なんですから。
エミ