糖質は身体に良いの?悪いの?糖質制限ダイエットの注意点

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糖質って、身体に良くないの?
こんな疑問を持ったことはありませんか?

最近栄養相談の中で、体重を落とすためにご飯を控えているというお話をよく聞きます。

「夕食のご飯を豆腐に変えて体重が落ちました!」
「できるだけ米を食べないようにしています。」

など、お米を控えて糖質を減らす、いわゆる「糖質制限」でダイエットをする人が増えていますね。
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そんな中、糖質=太るもの、いけないもの、というイメージが出来上がっているように見えます。

身体を動かすエネルギー源となるものとして「糖質」「脂質」「たんぱく質」がありますが、その中で最もスムーズに消費しやすく、体にも負担が少ないのが糖質です。
そのため消費に見合った量をとっている限り、糖質は身体に優しいエネルギー源になります。

日本人の食事摂取基準でも、3つのエネルギー源の中で50%以上を炭水化物(糖質)からとることを推奨されているように、健康であるために大事な栄養素と言えるでしょう。

それなら何故こんなにも「糖質」が悪いと言われるのか?

糖質は適量であれば身体に優しいですが、消費しきれなければ脂肪として体に蓄積され、体重が増加します。
日本でも、内臓脂肪が溜まることが原因となる「メタボ」を減らすことが課題となっていますが、糖質を食べ過ぎて「メタボ」になる人がいるのが現状です。
「糖質のとり過ぎ」に害があるというのは、確かですね。

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また今や糖尿病は日本人にとって国民的な病気と言われ、血糖コントロールにより注目が集まっていることも関係しているかもしれません。
実際「砂糖」だけでなく、食事で頻繁に登場する「白いご飯」も急激に血糖値を上げやすいのは事実ですから。

そんな中、糖質制限はダイエット方法としてシンプルでやりやすい。
特に「主食」が独立している和食スタイルでは、それさえ抜けば大きく糖質やカロリーを減らすことができます。
加えて楽しみなメイン料理は減らさなくて良い!となると、余計に魅力的な方法になりますよね。

その結果体重が落ち「メタボ」から外れる。
数値が良くなった人が「やっぱり糖質は悪者だ!」となるのも頷けます。

ただ、メタボの基準になる「血圧」「中性脂肪」「血糖」などの数値は「体重が落ちる」ことで減りやすい数値。
「たんぱく質」を減らしても「脂質」を減らしても「体重が落ちる」ことで数値が良くなる可能性が高いのです。
数値が悪かった原因が、必ずしも糖質にあったとは言い切れません。

ここで考えたいのは、糖質以外のエネルギーである「たんぱく質」や「脂質」にも「とり過ぎの害」があるということ。
「糖質制限」ではその分「たんぱく質」や「脂質」を増やしてOKと言われますが、長く続けた時にはそれらの害が出てくる可能性も否定できないのです。

例えば、たんぱく質はとり過ぎるとアンモニアという毒素を作り出すため、それを体の外に出す働きのある肝臓や腎臓に負担がかかって病気になる場合も。
これらの病気になると、お酒が飲めなくなったり、肉や魚などを極端に制限されたり…あるいは週に何日も透析に通うなど、日常生活のリズムや楽しみ方を大きく変えざるを得ない影響が出てきます。

「ご飯を豆腐に置き換える」のように、糖質を減らしてたんぱく質の量を増やす人が多いですが、これによって違う病気になるリスクがあることを忘れないでおきたいですね。

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「糖質制限ダイエット」が広がったのは、糖質より脂質を使いやすい身体にさせる「ファットアダプテーション」の影響もあるかと思います。
ただ、この方法は、適応するまでに時間がかかるなどのデメリットもあります。

また糖質をかなり制限するため、ご飯だけではなく他の食材の糖質量もコントロールする必要があるのです。
質の良い油を選ぶことなども求められ、外食や市販品を使いながら実践するのはなかなか難しいものがありますね。

持久力重視のアスリートなど、メリットが得られるケースもありますが、お手軽そうに見えて実は細かい配慮が必要。
専門家のサポートなしには、お勧めできない方法です。

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長期的にやった時に脂質異常や動脈硬化を起こす可能性も指摘されていますので、最終的な着地点としては、疑問が残るところです。

 

そもそも、体重さえ管理すれば健康なのか?というと、決してそうではありません。

「メタボ」が多くの人の解消すべき課題であることは間違いないですが、日本人に未だ多いガンの予防のためには、野菜や海藻類はもちろん糖質を多く含む果物や芋類などをとることも大切です。
また肉や魚などのたんぱく質の多い食材が過剰なことで、「尿酸値」や「LDL(悪玉)コレステロール」が上がってしまう場合もあります。

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「糖質を減らせば、たんぱく質はたっぷり食べていいだろう。」と考えていると、体重が落ちても違う病気になってしまうことがあるのです。

そして「糖質」「たんぱく質」「脂質」はどれもエネルギー源。
消費を上回る量を食べていけば体重は増えますし、どれも必要ですが、「いくらでも食べてもOK」ということはありません。
糖質を含め3つとも取り入れることが重要ですが「無制限」ではないことを頭に置いておきましょう。

以上のことから糖質の良し悪しについて考えると、「糖質は、とり過ぎは良くないけれど、適量は良い影響がある」という結論に至ります。

 

1つの栄養素や食品に注目してダイエットをする方法は、これまでいくつも提唱されてきました。
糖質を食べ過ぎている人が、ほどほどに「糖質制限」に意識を置き、白いご飯や砂糖の多いお菓子、ドリンク、お酒の飲み方を考えていくのは、自然に全体のバランスが整う健康的な方法にもなるでしょう。
ただ、糖質中心に考えてメリットが得られるかどうかは、それぞれの体質や食生活の特徴にもよるのです。

結局のところ、糖質とは上手に付き合っていくのがベスト。
「白いご飯」も単品ではなく、食物繊維の多い野菜や海藻、きのこ類を一緒に食べたり、玄米や雑穀の多いご飯にすると、血糖値の上がり方も緩やかになります。

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糖質も種類やとり方の工夫で、デメリットを補うことができるのです。
そして、これはオーソドックスな和食スタイルであり、色々な視点から健康を考えた時に多くのメリットが期待できます。

 

糖質は恐れ過ぎず、賢く取り入れよう!
やはりこれが栄養士としての私の気持ちです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました♪

エミ

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