★食欲をそそる「おいしさ」の演出は色の効果?
SNS映えなどのことばが流行する通り、写真を美しく見せる事は興味や関心をひく大きな要素ですね。
食事に関する部分でも、色の組み合わせは食欲に大きな影響を及ぼします。
食卓でも、食材はもちろん、食器・テーブルクロス・照明まで、非常に多くの色の効果によって「おいしさ」が演出されています。
★新しい食品を受け入れるかどうか決定する要素
約8割の人が:色彩
約6割の人が:形態
約4割の人が:におい
と回答し、食品の色は食欲を増進させるのに最も重要な要素であると言えます。
★食欲を増進させる色とは?
オレンジ・赤・黄などの暖色系の色。
★食欲を減退させる色とは?
青・紫などの寒色系の色や黒やグレーの無彩色。
★おいしさの演出
色と色との関係で代表的なものに補色というものがあります。
色相環図の対局にあたる色の活用により、互いの色を引き立て合う働きがあります。
給食会社でも、補色の効果を活用する事で、おいしさを効果的に演出しています。
例えば、ステーキやハンバーグの付け合わせに、白いマッシュポテト、その隣にオレンジ色の人参のグラッセ、緑のインゲンやクレソンを添えるとお皿がぐっと色鮮やかになります。
和食でも赤のマグロ、白のイカや鯛、オレンジ色のサーモンなどを1つのお皿に盛り付ける際に、鮮やかな緑の青紫蘇や黄色の菊の花を添えるのも同様の効果が期待できます。
★色と味のイメージ
甘い味:ピンク・オレンジ・赤
酸っぱい味:黄色
塩味:白と青
苦味:茶色と無彩色、緑
酸っぱい味では、黄色が圧倒的に多く、これはレモンや柑橘類の味の経験から、強く印象づけられていると考えられています。
また、苦味はコーヒーや焦げた食品、ほうれん草などのえぐみと結びついたイメージによるものだと考えられています。
このように自分自身の経験から味をイメージする色は決まってくるようです。
★「赤・黄・緑」の信号ルールで色と栄養のバランスを
うれしいことに、色のバランスがよい献立は栄養バランスも良くなります。
彩りが足りないなと感じたら、トマトやレモン、パセリ、万能ねぎ、パプリカなど色味のある野菜をちょい足ししましょう。
ぜひ覚えておきたいのが、「赤・黄・緑」の信号に使われている3色をそろえる"信号ルール"。
その日の献立を並べたときの仕上げに、この"信号ルール"でチェックし、足りていない色があったらそれを加えるだけ。
栄養価もアップするだけでなく、彩りもグッと華やかになります。
この信号ルールは、献立の中でも、ひとつの料理の中でも、どちらかで完成していればOK!
例えば、サラダの場合、にんじんやプチトマトの赤、パプリカの黄、レタスの緑があれば信号ルールは完成します。
★最後に
食欲と色は深く関わっていて、私たちは目でも食べ物を感じていました。
また、今までの経験から、色をみて「おいしそう・そうではない」という判断をしていることもわかりました。
その時の自分の体調や気分などの状態によって、今はたくさん食べて元気になろう!というときは美味しそうに見える色の食材や食器などを工夫し彩りを考えると良いですね。
反対に少しダイエットしたい時には、青いものを取り入れるなど、色をうまく活用することが大切です。
給食会社では彩りも考えて美味しい献立を作成しています。
是非、日々のお食事の際にお役立てください。