気温が上がり蒸し暑い日が増えてくる時期。
今年も猛暑が見込まれ、しっかりとした熱中症対策が求められています。
熱中症対策として、まずは「スポーツドリンクを飲むこと」と考える方が見受けられます。
確かに、スポーツドリンクは体に吸収されやすいよう調整されていて、汗と一緒に失われる水分と塩分を効率良く補うことができるため、スポーツ時の熱中症予防やパフォーマンス向上に適した飲み物です。
ただ、日常の水分補給としては、砂糖などの糖質を含むのが注意点。
運動時には効率良いエネルギー源となる糖質ですが、日常生活においては体重増加や血液の数値悪化の原因となる可能性も高いのです。
単純に「たくさん汗をかくから」という理由で、スポーツドリンクを多用するのは避けたいですね。
では、日常生活でスポーツドリンクに頼らずに熱中症予防をするには?
暑い時は、汗などの水分と一緒に熱を外に出し、体温を下げています。
そのため、体がまず必要としているのは水。
ただ、汗などで出て行く水分量が多くなると、体の中のミネラル濃度が濃くなってしまうため、水分と一緒に塩分などのミネラルも外に出してしまいます。
そのため、ミネラル濃度が濃くならないよう、出て行く水分量に合わせて少しずつ補給することがポイントです。
汗をかいている自覚がなくても、20~30分おきを目安に、少量をこまめに飲む癖を付けましょう。
特に冷房が効いた室内にいると、補給を忘れてしまいがちです。
水分補給の適量は、体格や気温、気候などの条件によっても変わります。
食事の中にも水分が含まれていて、水分補給として飲むべき量を見定めるのは難しいですが、目安になるのは尿の色。
色が濃くなっているのは脱水のサインなので、水分補給の頻度を上げて、1日の量を増やすようにしたいですね。
また、身体の中に水分を保つ働きをする塩分も、定期的な補給が求められます。
ただ、水分よりはストックしておけるため、3度の食事で補給すれば問題ないことがほとんどです。
一般的な食事で1日に必要とする量は十二分に摂れているため、熱中症を懸念して味を濃くする必要もありません。
ただ、朝ご飯を食べない、あるいはバナナのみ、牛乳のみ、という方は、朝の塩分が補えず熱中症を起こしやすくなります。
おにぎり1個、パン1個でも塩分を含む食べ物を口にして、1日をスタートしましょう。
朝ご飯を食べることで、基礎代謝も上がりやすくなり、夏太りや血液の数値悪化を阻止しやすくなります。
ところで、水分は冷たいかどうかだけでなく、種類によっても身体を冷やす力が違います。
コーヒー、緑茶はその性質が強いので、暑い時に向いています。
ただ、コーヒーや玉露などの濃いお茶は、カフェインが多く胃腸への刺激が強いのが注意点。
こまめに補給する水分として飲むのではなく、食事や休憩時などに、スポットで飲むのがお勧めです。
カフェイン量は400mg以下が推奨されるため、コーヒーなら1日2~3杯までに留めましょう。
ペットボトルで売られている緑茶は「煎茶」に該当する物が多いですが、こちらのカフェイン量は500mlで100mg程度。
メーカーさんの実測値による表示では、これより少ない傾向があります。
2Lまでは許容範囲になるため、純粋な煎茶は水分補給に使っても問題ないと言えるでしょう。
「玉露入り」に関しても、ペットボトル飲料はカフェイン量が高くない物が多いようです。
表示を見ながら適量内で使って下さいね。
それともう1点注意したいのが、アルコールを美味しく飲むために水分補給を控えるパターン。
喉カラカラで飲むビールやチューハイは、熱くなった体に心地良く、より美味しく感じることでしょう。
ただ、アルコールは利尿作用も高いため、いっそう脱水状態が進むことに…。
翌朝、この状態でスタートすると、熱中症の危険も高まります。
アルコールを飲む前もきちんと水分補給をすること、アルコールを飲む時には、水などのチェイサーを入れることが、熱中症予防のためにも大切です。
最後に、日本の夏は湿気が多いのが特徴。
気温が上がっても、皮膚からの水分がなかなか蒸発してくれません。
そのため、風を当てると水分が蒸発し、体温が下がりやすくなります。
冷房のない屋外では、うちわや扇風機などで風を当てると良いですね。
ミニ扇風機や昔ながらの扇子なら、持ち歩きもしやすいですよ。
年々暑さが増す夏。
熱中症予防と健康を両立させ、賢く夏を乗り切りましょう♪
エミ