社員食堂を見直してみたいが、どれくらいの時間を見込めばいいのか分からないという話を企業の担当者から聞いたことが何回かあります。
どの企業様でも食堂運営を頻繁に見直しているわけではないので、ノウハウを持っていないというのが実情です(頻繁に社員食堂の運営給食会社を切り替えているのは問題です)。
実際のところ、どのレベルで食堂を見直しするかによって変わってきます。
例えば厨房施設や食堂レイアウトの大きな変更をする場合は、水回り、空調関係、電気関係、排気等の大きな工事を伴うことになります。
このレベルの大型リニューアルとなりますと、数か月から年単位のプロジェクトになるでしょう。
また厨房と食堂を閉鎖する必要が出てくるので、その間の食事提供について考える必要もあります。
一方で、現在の運営スタイルを維持・縮小するような見直しであれば、それほど時間は必要ではありません。
ですから、この記事では、もっとも一般的な厨房設備・食堂レイアウトに大きな変更は加えないパターン、大規模工事なし(多少の機器入れ替えと食器リニューアル程度)、厨房食堂閉鎖期間なし、の条件でどれくらいのスケジュール感を持てばいいのか説明したいと思います。
結論から言ってしまうと、契約合意した時点を起点として、だいたい3ヶ月から6ヶ月を見ていただければ十分リニューアル開業可能です。
開業までに必要な要素を大まかにまとめると
- ①契約関係
- ②採用関係
- ③営業許可関係
- ④その他納品等
になるでしょう。
この中で時間的にある程度見込まなければならないのは、③営業許可関係です。
社員食堂を開業するために、受託決定会社は飲食店営業(給食)の許可を受けなければいけません。
管轄保健所に書類申請を行い、立ち合い検査を受ける必要があります。
申請書を作成して申請、これがだいたい開業日の1ヶ月前~、実際の立ち合い検査が開業日の1週間前とされています(ケースバイケースです)。
つまり営業許可申請だけで1ヶ月強が必要になります。
②採用関係については、社内異動と新規採用の2パターンになりますが、いずれにせよ、2ヶ月ほどの期間を見たほうがいいでしょう。
新規採用の場合、求人募集広告、採用面接、労働契約締結、現地研修等という流れになりますので最低でも2~3ヶ月の期間は必要になります。
④納品等については実際に提供するメニュー確定から発注という流れになるので、余裕をみれば開業まで2ヶ月ほど必要となるでしょう(実際の納品は直前ですが)。
①の契約関係は事前に合意がなされていれば手続き的な問題だけですので、その他の項目に比べて期間は必要ありません。
こうして列挙してみると、内定をいただいてから開業まで最短2ヶ月、平均3ヶ月くらいのスケジュール感で考えていただければいいと思われます。
これをベースに厨房機器入れ替えの度合い、食堂ホールの改装等の有無といった要素を加味すれば、必要な日数をはじき出せるでしょう。
もちろん、例外はあります。
当社でも「準備期間2ヶ月しかないけれどやってくれませんか」と企業様からお願いされて、急ピッチで準備をすすめて開業したことがあります。
まずは今お付き合いのある会社の営業担当に相談するのがいいでしょう。