日に日に暑さが増し、夏本番。
この時期、福祉施設事業部の担当は各施設の納涼祭の準備に奔走します。
高齢者施設などは暑い時期を避け、初夏や秋に行う傾向にある昨今ですが、「やはり納涼祭は、真夏でしょう」という施設がまだまだ多数です。
納涼祭といっても、施設によってそれぞれ個性・特徴があり、趣があります。
ただ、不思議なことに料理については、焼きそばやたこ焼き、かき氷にカットフルーツといった奇をてらわない定番のメニューが好まれます。
さて、その料理ですが、会場が屋外の場合と屋内の場合とでは提供方法が変わってきます。
今回はそんな1年で最も入所者のみなさんが楽しみにしているイベント、納涼祭を適切に行う方法をご紹介します。
屋外と屋内で行う場合のポイントを画像つきでわかりやすく解説したいと思います。
●屋外での納涼祭
いつも施設内で食事をされているので、やはり開放感のある外で食事ができるのは利用者様から好評を得られます。
屋外なので火を使って煙が出ても基本問題ないため、夜店の屋台のように利用者様の目の前で豪快に調理を行うことができます。
とは言え、火を通す料理ばかりではありません。
当然気温と湿度は高いので、衛生管理には十分注意しましょう。
それだけではありません。
熱中症にも注意しなくてはいけません。
利用者様だけではありません。
提供するスタッフも熱中症の対策は十分にしておきましょう。
雨天時の対応も事前に打ち合わせておきましょう。
急な雨の場合は別ですが、前日に天気予報で雨だと分かっているの場合は、大体屋内で行うことになります。
当然、その場合の調理の作業工程や、提供方法などもちゃんと考えておきましょう。
地域に開放し、大規模に開催。何処の施設も鉄板焼きは好評です。まさに鉄板です。
地域のボランティアの方々も協力して盛り上げてくれます。
夜中には花火を行うこともあります。
●屋内での納涼祭
暑さ対策や屋外で開催できる場所がない場合など、屋内で納涼祭を行う施設もあります。
だいたい食堂で行いますが、職員さんが”はっぴ”を着たり飾りつけをしたりして、いつもの食堂が納涼祭の会場へと様変わりします。
室内なので火は使えません。
ですから屋外のように大量にその場で調理ということはできません。
しかし煙の出ないホットプレートなどを使えば利用者様の目の前で調理することはちゃんとできます。
とはいえ基本、料理は厨房でほとんど調理して、あらかじめ用意しておきます。
なので、通常の食事提供と同じように個々の食事形態にあわせた料理を用意することも可能です。
こういった形で屋外とはまた違ったサービスを行うことができるので、利用者様にも好評を得ることができます。
食べやすいように形態に合わせ提供。
高齢者施設では室内での開催が増えています。
屋内はホットプレートを使用。
お年寄りでも担げるよう、手作りの紙製御神輿。
このように屋外、屋内にかかわらず、納涼祭としての特別感を意識した提供方法や趣向を凝らすことで、利用者の満足度の高いものになります。
●人員の確保
当然ですが、納涼祭は提供料理の種類が通常より多く、提供方法も違います。
いつもより作業量が増えるので、人手が必要になります。
ですので、人員の手配、配置はしっかり考えておきましょう。
理想はその施設の現場スタッフだけで対応できるとよいのですが、他現場からの応援が可能であれば応援をお願いしても構いません。
むしろ、普段顔をあわせない他現場のスタッフとのコミュニケーションをとる機会になります。
更に同じ仕事に従事することにより、スタッフ同士の刺激にもなるでしょう。
あと、調理機器等の電源確保についても施設の設備担当者と、ちゃんと打ち合わせをしておきましょう。
特に屋外は電源が多くありません。
電動かき氷機やわたがし機など電気が必要なものもあるので、事前に電源の手配をお願いしておきましょう。
実際、連絡の行き違いにより電源が不足し、急遽施設の建物から電源を延長ケーブルで引いてもらったこともありました。
屋内の場合もホットプレートなど電圧が高いものを使う場合は、ブレーカーが落ちてしまわないか電気容量の確認をしておきましょう。
いくつか注意点等あげましたが、まずは自分たちも楽しんで納涼祭を行っていくことです。
自分たちが楽しいと思えなければ、利用者様も楽しいとは思いません。
ぜひ自分たちも楽しんで、利用者様に喜んでいただきましょう。