
和食を代表する料理の1つであるお寿司。
全国に普及している回転寿司では、手頃な値段でにぎり寿司を楽しむことができます。
魚が苦手でもお寿司は好きという方は多いですよね。
回転寿司では、好きな物を欲しい分だけ注文できるため、家族連れも利用しやすいのもメリットです。
そんな回転寿司ですが、いつもどんなネタを注文しますか?
物価高の影響もあり、魚離れが止まらない中、お寿司は魚を食べる貴重な機会になっています。
普段の食事で不足がちな栄養素を意識してネタ選びをすると、美味しいお寿司がバランスを整える食事に変わりますね。
まずはマグロ。
赤身はたんぱく質が豊富で低脂肪な上、鉄分も多く含んでいます。
これらの必要量が増えるアスリートや激しい運動をする方はぜひ選んでおきたいネタです。
また、脂が多いトロは抗炎症作用の高いn-3系脂肪酸を多く含みます。
n-3系脂肪酸は疲労回復を促したり、免疫力を強化したり、認知症やうつの予防をしたり…と、健康な心身を保つために欠かせない成分。
2貫で1日に必要なn-3系脂肪酸の4~5割を摂ることができるので、ぜひ1皿食べておくと良いですね。
赤身以上に鉄分も多く含むため、持久力や集中力アップにもお勧めです。

冬に脂が乗ってくるブリも、n-3系脂肪酸が多いネタの1つ。
同時に、ビタミンB1、B2が豊富で、エネルギー消費を助けてくれます。
宴会が多く太りやすい年末年始、運動を増やして乗り切ろうと考えている方は、チョイスの1つに入れてみてはいかがでしょうか?
ブリの幼魚であるハマチも、ブリには劣るものの、n-3系脂肪酸やビタミンB1、B2の良い供給源となります。
ブリがない時には、ハマチを1皿加えてみて下さいね。
サーモンは人気高い定番の寿司ネタ。
炙りサーモンやアボカドやオニオン、チーズと組み合わせた物など、アレンジのラインナップも様々で、色々な楽しみ方ができます。
脂のりが良く、もちろんn-3系脂肪酸の補給に貢献してくれます。
サーモンといえば、焼き鮭定食などで食べられるビタミンD豊富な「鮭」の仲間で栄養価も同様と捉えてしまいがち。
ですが、寿司ネタで出回るサーモンは、焼き鮭として食べる銀鮭や紅鮭、秋鮭ほどビタミンDは多くありません。
ビタミンDは骨にカルシウムを定着させて丈夫にする、免疫力を向上させる、メンタルを安定させるなど、健康維持に大切な働きがあり、現状より増やしたい栄養素ですが、これを多く含む寿司ネタはマイワシです。
マイワシはカルシウムも多いため、骨の健康を維持させるのにピッタリですね。
同時に貧血予防や成長促進、更年期の症状緩和に貢献する亜鉛、鉄分も多く含まれています。
大衆魚でありながら、摂りたい栄養素が満載のマイワシ。
大人から子供まで、ぜひ一緒にマイワシを1皿注文しましょう。

さらに、粘膜を整えてインフルエンザなどへの抵抗力を高めるには、ビタミンAの多い穴子やうなぎがお勧め。
これらは抗酸化作用の高いビタミンEも豊富で、若々しい身体作りを応援してくれます。
そして、カロリーを控えつつ良質のたんぱく質を摂るなら、イカやタコ、エビがお勧めのチョイスです。
ただ、他の魚のネタに比べてコレステロールは2~4倍近くになります。
LDLコレステロールが高い方は、食事からのコレステロールを1日200mg未満に留めることが望ましいため、これらに偏らないようにしましょう。
ちなみにイクラや卵は更にコレステロールが多く、1貫で100mg程度含んでいると思われます。
2貫セットの場合は誰かとシェアして、どちらか1貫までにしておきたいですね。
また貝類は低脂質でありながら、ミネラルが豊富。
イカなどと違って、コレステロールも高くないのも利点です。
中でも赤貝やほっき貝はマイワシの2~2.5倍もの鉄分を含む上、亜鉛も多く減量中の貧血予防に向いています。
同時に日本人に不足がちなマグネシウムも補給できるのも嬉しい点。
ミネラル不足が気になる方は貝類もチョイスに加えておきましょう。

最後に、最近の回転寿司は、焼肉やハンバーグといった肉のネタや、うどんやフライドポテトや唐揚げといったサイドメニューも充実しています。
これらがある事で、魚が苦手なお子さんも安心して連れて行けるというメリットがあるでしょう。
ただ、生活習慣病のリスクが上がる大人は、恩恵が多い魚のネタを楽しむようにして下さいね。
身近でお手頃な回転寿司で魚の栄養を補給し、楽しく美味しく食生活のバランスを整えていきましょう。
エミ


