皆さんは、毎日気持ち良く眠っていますか?
年齢を重ねると、なかなか眠れない、眠っても夜中に起きてしまうなど、睡眠への悩みを抱える人が増えてきます。
これは、若い頃に比べて活動量が減って代謝が下がることや、体内時計やホルモンの変化などが関係するようです。
ぐっすり眠ることは、日々の疲れを取り除くことはもちろん、仕事の効率を上げたり若さを保ったりする上でも重要。
食生活の工夫で少しでも質を上げて、活き活きと過ごせるようにしていきたいですね。
では、質の良い睡眠を取るには、どうしたら良いのでしょうか?
遅い時間のカフェインを避ける、夜にブルーライトを見過ぎない、といった基本的な注意に加え、心がけたいのは「体内時計を整えること」。
私たちの体は、朝起きて活動し、夜眠る…という24時間のリズムを刻んでいますが、これが狂うと睡眠の質が落ちていきます。
週末の夜更かしや朝寝坊など、ちょっとした原因で狂いやすいため、日々リセットする必要があるのです。
リセットのスイッチになるのが、朝食。
食事をすることで体温が上がり、体を覚醒させてくれます。
朝が順調にスタートすると、時計が正しく進んで夜の眠気が起こるのです。
特にリセット効果が高いのは、糖質と魚に含まれるDHAやEPAという脂肪酸。
煮魚や焼き魚をメインとした和食が理想ですが、ご飯にサバやイワシの缶詰を組み合わせたり、鮭おにぎりを食べたり…。
パンならツナやサーモンの入ったサンドイッチも良いでしょう。
シンプルで良いので、「主食と魚」の組み合わせを意識していきたいですね。
また、朝に光を浴びる事もリセット効果があります。
朝になったらカーテンを開けるか、電気を付けて部屋を明るくすることを習慣付けましょう。
夜の眠りのためには、まず朝をどうスタートするか?が大切なんですね。
そして、夜の眠気を誘うメラトニンというホルモン。
幸せホルモンと言われるセロトニンから作られますが、その材料になるのがトリプトファンというアミノ酸です。
合わせて、セロトニンを作る時にビタミンB6が使われるため、これも一緒に摂ることも大切になります。
トリプトファンとビタミンB6をバランス良く含むのが、脂の少ない肉類や、青魚、赤身の魚、大豆、乳製品など。
果物ではゴールドキウイやバナナがお勧めです。
ヨーグルトにこれらのフルーツを入れ、きなこを加えるとセロトニンを増やしやすいメニューに。
善玉菌やそのエサの補給になり、腸内環境を整えるのにも貢献してくれます。
セロトニンの大半は腸内で作られるため、腸内環境を整えておくことも重要ですが、フルーツヨーグルトはこれらの条件を満たす優れた1品ですね。
夕食は脂控えめのヒレ肉のソテーや、蒸し鶏などのメニューを取り入れて、胃腸をもたれさせずにセロトニンの材料を補給してみてはいかがでしょうか?
さらに、睡眠のために意識しておきたいのは、GABA。
アミノ酸の一種で、交感神経を抑制してリラックスさせる作用があり、眠りの質を向上させてくれます。
食材では、玄米や大豆、野菜や果物に幅広く含まれていますが、中でも発芽している「発芽玄米」「大豆もやし」はGABAが増える傾向に。
いつものご飯に発芽玄米を混ぜてみたり、大豆もやしをナムルや野菜炒めに使うのも良いですね。
GABAは水に溶けやすいので、水を加えないでレンジ加熱したり、スープで汁ごと食べるのも良いでしょう。
普通の玄米は浸水するとGABAを増やす事が出来ますが、浸水した水も一緒に加えて炊くと、無駄なく摂り入れることができます。
また発酵しているヨーグルト、キムチやたくあんなどの漬物、酢や醤油などの調味料もGABAが多い食材です。
ただし、漬物や調味料は塩分も高く、摂り過ぎは好ましくありません。
塩分をほぼ含まない酢の活用や、ヨーグルトを食べることが、手軽にGABAを増やす方法としてお勧めです。
ちなみに、今が旬のトマトもGABAが多い食材なので、この時期は積極的に食べると良いですね。
最後に、「アルコールを飲まないと眠れない」という声をよく聞きます。
確かにアルコールは、飲んでいるうちに心地よく眠りに入れるのも事実です。
ただ、アルコールによる寝落ちは途中で起きやすく、後半の眠りが浅くなって質は下がっていきます。
また飲み続けると肝臓への負担が大きくなり、代謝が滞って疲れやすくなるデメリットも。
「身体の疲れを取り除く」という睡眠本来の目的が果たせなくなる可能性もあるのです。
質の良い眠りのためには、アルコールは極力控えつつ睡眠のリズムを作っていきましょう。
食生活の工夫で、元気と若々しさに繋がる質の良い睡眠を手に入れて下さいね♪
エミ