
定期訪問しているお客様からよく聞かれるのが「現在契約している給食会社に少し不満はあるけれど、長年契約を継続してきた関係性もあるため、契約を解除するほどではない」という言葉です。
社員食堂や福祉施設における食事提供を、毎日、完璧にこなすことは困難です。
味付けが上手くいかなかったり、盛付が雑になったりすることはあります。
あるいは異物混入事故が起こることもあるかもしれません。
そういった事態への対応が不十分であるとき、不満につながります。
しかし、そのような小さな不満が業者を見直そうという動きにはなかなかなりません。
当たり前です。
給食会社見直し業務は、通常の仕事にアドオンされるため負担が大きく、現在の給食会社との長年の関係性もあるからです。
ですが私は、「他の給食会社がどんな運営をしているのか知らないこと」が、具体的な見直しにならない一番の原因だと考えています。
例えば、現在契約している給食会社と同じメニューを、他の給食会社がどのように提供しているのか知っているお客様はほぼいません。
他の給食会社に食堂を任せた場合のコストがどの程度なのか知っているお客様もいません。
実際に他の給食会社のオペレーションを見たことがある人はほぼ皆無でしょう。
他の給食会社がどのように給食事業を展開して、実際にどんな食事を提供しているか見学をした方は、私が定期訪問をしているお客様の中にはいらっしゃいませんでした。
知らなければ、具体的な動きにはつながりません。
そのことをお客様に伝えると十中八九、この様におっしゃられます。
「もし、他の給食会社の現場の見学をしたら、業者見直しのコンペをやらなければならなくなる」。
こういう認識なのです。
見学をしたら給食会社の営業活動が活発になるのを危惧しているのかもしれません。
確かに営業担当としてはチャンスと見るのは間違いありません。
しかし、現在契約している給食会社への不安をそのままにしていい理由はありません。
もし、他の給食会社が運営していたならば解決できる問題を放置することはお客様にとっての損失なのです。
ですから、給食会社を切り替えるかどうかは置いておいて、他の給食会社の運営を見学することを考えてみてはいかがでしょうか?
実際に見て知らなければ、「現在契約している給食会社と変わらない。それなら今の会社で我慢しよう」と妥協することも、「給食会社が違うだけでこんなに変わるものなのか」と業者切り替えを選択肢に加えることもできません。
まずは他の給食会社の現場を見てみることが肝心だと私は考えます。
「見学を営業マンに申し入れたら実際にコンペをやらなければならない」と危惧することはありません。
給食会社の営業マンは、まず自分の会社がどんな食事をしていているのか知ってもらいたいのです。
見学をしていただくことによって給食会社自体も外部の刺激を受けて、よりよい給食運営につながるのです。
一度お付き合いのある給食会社の営業に対して、お気軽に見学を申し入れてみてはいかがでしょうか。