
皆さんは今年のサンマを食べましたか?
近年値上がりが続いていたサンマですが、今年は脂ののった大きなサンマが出回っています。
この状況は、9月いっぱいは続くそうです。
物価高で魚をあまり食べなくなったという声をよく聞きますが、旬のサンマを積極的に食べて、頻度を上げていきたいですね。
サンマの特徴は、血液の流れを良くするn-3系脂肪酸が豊富なこと。
n-3系脂肪酸は、抗炎症作用があり、血管や粘膜を丈夫にして、免疫力向上、認知症予防、疲労回復を助ける効果などが期待できます。
また、脂質異常症の改善や疲労回復、認知症予防にも貢献する可能性があります。
歳を重ねるにつれて肉より魚を好む方が増えていくのは、身体がこれらの恩恵を求めているからかもしれませんね。
日本人の食事摂取基準では、n-3系脂肪酸の目安量は成人男性で1日あたり2.2~2.3g、女性は1.7~2.0gとされています。
これに対して、焼いたサンマ1尾のn-3系脂肪酸は約3.9gと、2倍近い量に!
脂の多いサバやマグロのトロに次いで、トップレベルの含有量です。
また、サンマは筋肉の材料となるたんぱく質が多いことに加え、たんぱく質の代謝時に必要なビタミンB6も多く含まれています。
筋肉量を増やす時、トレーニングで質の良い筋肉作りをする時にも向いているため、アスリートや、ジムなどで定期的な運動をしている方にもお勧めです。
n-3系脂肪酸の抗炎症作用によって、運動によって傷つく身体の修復が促されるのも嬉しい点ですね。
その上、エネルギーを燃やす時に使われるビタミンB2や、造血に必要なビタミンB12が多いのも特徴。
持久力アップや貧血予防により、パフォーマンスの向上に繋がってきます。
元々運動していた方だけでなく、これから運動を頑張ろうと思っていた方も、ぜひサンマの力を借りて効果的な体作りをしていきましょう。
さらに、魚で摂れる貴重な栄養素はビタミンD。
カルシウムと共に骨を強くするのに必須の栄養素で、現状よりもっと増やしたい栄養素の1つです。
サンマ1尾(100g)に含まれるビタミンDは16.0μg。
脂溶性ビタミンのため、焼くことで10μg程度まで減るものの、1日の目安量9.0μgを1尾で補給できる計算になります。
カルシウムも30mg程度補給でき、骨のメンテナンスにも良いことが分かりますね。
調理法として、まず挙げられるのが塩焼きでしょう。
脂が多いだけに香ばしく、身の柔らかさも引き立ちます。
青魚は小骨が面倒と思ってしまいがちですが、新鮮な物は身離れが良いのも、旬ならではのメリットです。
ビタミンD同様、n-3系脂肪酸も焼くことによって減るため、最もロスがなく食べられるのは生のお刺身になります。
ですが、サンマはアニサキスが混入している可能性があり、食中毒やそれによるアレルギーの発症が気になるところ。
プロの調理人さんが出してくれるお店であれば問題ないかもしれませんが、家庭では加熱して食べるのが安心です。
アニサキスは内臓から身の方へ移動していくそうなので、早めに内臓を取り除き、70℃以上しっかり加熱することも大切ですね。
頭と内臓を取り除いた物も売られているので、調理法に合わせてそちらを購入するのも良いでしょう。
塩焼き以外の食べ方は、骨ごとぶつ切りにした煮付けがお勧め。
捌くのに時間がかからず、中心までしっかり加熱しやすい料理です。
酢や生姜を加えて煮ることで、日持ちもしやすくなります。
もし圧力鍋がある場合は、それを使って煮ることで時短になる上、骨まで柔らかくなります。
小骨や中骨も気にせずに食べられますし、カルシウム量も大きく増やすことができますね。
作り置きしておけば、朝食のおかずにもピッタリ♪
質の良い糖質が摂れるご飯とn-3系脂肪酸豊富なサンマの煮付けは、体内時計をリセットして体調を整える最高の組み合わせです。
そして3枚に下ろしてフィーレにしておくのも、便利な方法。
1枚ずつラップに包んで冷凍しておけば、少量ずつ使いやすくなります。
ムニエルにしたり、野菜やきのこを巻いて焼いたり、変わり種メニューへのアレンジも可能です。
フライや竜田揚げにもできますが、n-3系脂肪酸は流れ出て減ってしまう上、余分な油が増えてしまいます。
栄養面を優先すれば、揚げ物以外の調理法がベスト。
フライの代わりにカツレツにすると、サンマの栄養を逃さず揚げ物のような食感を楽しめるかもしれません。
身体作りに、健康管理に、しっかり摂っておきたい成分が満載のサンマ。
お得な時期にたくさん活用して、夏で消耗した身体の回復を高めて下さいね。
エミ