○○健康法や○○ダイエット。
今も昔も、新しい健康法やダイエット法が次々に出回りますね。
食事に時間がかけられない、手をかけられない中で、より簡単に、手軽に自分の体を管理する方法が必要とされているのかもしれません。
人の体はそれぞれ違いますし、生活の仕方もそれぞれ。
栄養士として色々な方面から健康を考えれば考えるほど、どれが正解というよりは、どれが自分に合っているのか?がポイントと感じています。
そんな中で、私自身が改めて大事にしたいと思うのは「朝ご飯」。
ご飯そのものもそうですが、「朝ご飯を食べよう」という気になる生活リズムにすることが、体調や体型のコントロールに重要です。
カロリーを減らすために朝ご飯を抜くという方もいますが、それが却って太りやすい体を作っている可能性も大。
アクティブに太りにくい体になりたければ、朝ご飯から始まる生活スタイルをお勧めします。
ではその理由とは?
1)筋肉量アップのカギ!
メタボ解消のために運動!ついでに筋肉を付けて、カッコ良い身体にしたい!
そんな考えから、お仕事後に頑張ってジムに通い、トレーニングをする方もいます。
食べる量を減らさずに身体をコントロールするために、運動を増やすというのは、前向きで大賛成です。
ただ、そんな方でも朝ご飯は食べないという話を聞くと、もったいないなぁと思います。
筋トレ直後にたんぱく質をとることが筋肉量アップにつながることは、トレーニングをする方のほとんどがご存知のことと思います。
そのため、ジムの後にプロテインを飲む方は多く、確かにそれは効果的です。
ただ同時に筋肉はお腹がすくと分解が進み、食事をすると増やす働きが高まることも忘れてはいけません。
極端な空腹時間が長くなると、どんどん筋肉は減りやすくなるのです。
前日の夕食と翌日の朝食の間には「睡眠時間」が入るため、その分食べない時間が長くなって、筋肉を減らす働きを高めてしまいます。
また筋肉の材料になるたんぱく質は、朝食にしっかりとることで筋肉量が増えやすいことが分かっています。
夜にガッツリ肉や魚を食べて朝食は食べない。
そんなスタイルは、努力の成果を十分に反映することができず不利。
余分な脂肪を落として筋肉量を増やしたければ、夜に偏った生活リズムの修正がお勧めです。
唐揚げや焼き肉などのおかずの一部を残して朝に回して食べるのも良いですし、夜のメインの量を減らして朝に納豆ご飯や卵かけご飯をプラスすると、カロリーを抑えつつも筋肉を増やしやすい食事になります。
頑張っているのに、なかなか成果が現れないという方は、トレーニングだけでなく食事のリズムもちょっと工夫をしていきたいですね。
2)朝ご飯で午前中のエネルギーを補給
朝ご飯は午前中の活動のエネルギー源になります。
デスクワークは動かないから食べなくて良いと思ってしまいがちですが、脳の活動にも糖質は必要。
お腹が空き過ぎて頭が働かなくなり、チョコなどの甘いもの欲しくなる、という経験をした方はいませんか?
糖質が不足すると頭の回転も悪くなってしまいがちです。
朝食で糖質補給をしてから仕事をすることは、仕事の効率アップにも繋がります。
糖質が足りなければ、脂肪を使ってくれるでしょ?と思ってしまいますが、同時に筋肉も分解されて代謝が下がってしまうのです。
ちなみに、我が子も寝坊して朝ご飯を食べずに飛び出してしまったことがありました。
その時に「朝ご飯を食べないと力が出なくて速く走れない」ということを発見したそうです。
普段から食べていないと、それが自分の能力と感じてしまうかと思いますが、もしかしたらポテンシャルはもっと高い可能性も!?
朝ご飯を食べることで、自分が思っていた以上の能力を発揮できるかもしれませんよ。
3)睡眠のリズムを整える
私自身、昔は何の努力をしなくてもすぐに熟睡してしまうタイプでしたが、年齢と共に眠りの質が落ちていると感じます。
最近は、コーヒーを飲み過ぎない、夜は極力ブルーライトを浴びない、お風呂に入るタイミングなど、少しでも良い眠りを得るために工夫をするようになりました。
栄養相談でお話を聞いていると、寝付きの良さを求めて寝酒や深酒をしてしまうなど、睡眠を改善するために体に良くない習慣が付いてしまっている方もいます。
それだけ、「ぐっすり眠りたい」というのは、多くの方にとって共通の悩みなのかもしれません。
そこで耳寄り情報。「朝食を食べること」は、睡眠のリズムにも影響あり!
朝起きてご飯を食べることで、体温が上がり眠っていた身体を起こしてくれます。
そうやって体内時計がリセットされることで、夜眠りにつく時間も決まるそうです。
そのため、朝ご飯を食べる習慣は、睡眠の質向上に繋がります。
夜眠れず、日中は眠くて辛い…という方は、朝食習慣を見直してみましょう。
良い眠りは、疲労回復はもちろん、免疫力アップ、老化防止、太りにくい身体づくりなど、嬉しいメリット満載です。
そうは言っても、朝はどうしても食べられない!という場合…まずは牛乳やヨーグルトなどの乳製品から口にするのがお勧め。
程よく糖質やたんぱく質を含み、代謝の維持に繋がります。
慣れてきたら、コーンフレークやグラノラなどのシリアルを加えていくと、午前中の質良いエネルギー源も補えますね。
プロテインを飲むという方法も、筋肉を作る働きを高めたり、減らしにくくする上で効果は期待できます。
忙しい方にとっては、健康管理の便利な手段となり得るでしょう。
ただし、私にとっては「噛まずに飲むだけ」の朝食は、あくまで朝食がとれない主要なデメリットをカバーするに過ぎないもの。
朝から形のある物を噛んで食べるということそのものも、自分の気持ちと生活リズムを整えるために大事なものになっています。
また、基本的に固形物の方が液体より吸収が緩やかなため、噛んで食べる食事の方が腹持ちの良さも上!
栄養素をパーフェクトにブレンドした素晴らしい栄養ドリンクが出来たとしても、可能な限り、朝から「噛んで美味しく食べる」ことがお勧めです。
まだ自分にしっくりくる食べ方が見付かっていない方は、ぜひ一度、朝食習慣の見直しをご検討下さいね♪
エミ