委託給食会社が行っているノロウイルス食中毒の対策

冬になると目にする、ノロウィルスの集団感染のニュース。
おそらくほとんどの方が、ノロウィルスの名前を聞いた事があると思います。

その感染力の高さと、飲食時に口から感染するので、食品を扱う業種では特に万全の注意を払っています。
当然、委託給食会社でもノロウィルスに対する予防や衛生管理は常に行っています。

今回はノロウィルスがどういものか改めて説明し、委託給食会社ではどのような対策をしているか話していきたいと思います。

・ノロウイルスとは

ノロウイルスは人の小腸粘膜で増殖するウイルスで、小型球型ウイルスと呼ばれ1年を通して見られますが、特に冬場に多く発症します。

少量のウイルスでも発症・感染し、感染力のとても強いウイルスです。

保育園や高齢者施設など、集団生活の場では感染が広がりやすいので注意が必要です。
多用な感染経路を理解した上で適切な対応を行い、ノロウイルスによる感染拡大を予防しましょう。

 

・ノロウイルスが発生してしまうと…

ノロウイルスが給食施設で発生してしまうと、施設内で二次感染を起こし、集団感染となる危険性があります。

また、保健所の立ち入り検査が行われ、場合によっては営業停止になる可能性もあります。

一度ノロウイルスなどの食中毒を起こしてしまうと、お客様からの信頼も失ってしまうので充分に注意を払い、食中毒の発生防止に努めなければなりません。

 

・感染するとこのような症状が出ます

潜伏期間は12~48時間。

おもな症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、軽度の発熱(37℃~38℃)で、通常1~2日その症状が続いておさまります。

感染しても症状がない場合や、軽い風邪のような症状の事もあります。
特に体力の弱い乳幼児、抵抗力の落ちている高齢者は脱水症状を起こしたり、体力を消耗しないよう、水分補給と栄養補給を充分に行うことが重要になります。

 

・主な感染経路は4つあります

  1. 経口感染
    ノロウイルスに汚染された水によるものや、汚染されたカキなどの二枚貝などを生、あるいは加熱が不十分のまま食べてしまったことで起こります。
    また、食品を取り扱う人がノロウイルスに感染していて、汚染した食材を口にしたことでも感染します。
  2. 飛沫感染
    床などに飛び散った嘔吐物の飛沫を吸いこむことで起こります。
  3. 接触感染
    嘔吐物を処理する際や排便後の手洗いが不十分で、手や指にウイルスが残っていることで起こります。
  4. 空気感染
    感染者の嘔吐物などの処理が不十分で、乾燥して空気中に舞い、吸い込むことで感染します。

ノロウイルスの感染はヒトからヒトの感染がとても多く、このような感染経路を断ち切ることが重要となります。

 

・委託給食会社が食堂で行っている、主な衛生管理と対策

  1. 健康管理
    普段から感染しないように、食べ物や家族を含めた健康状態に注意します。
    もし、感染したと疑われる症状が出たときは自宅待機し、専門機関で検査をします。
    検査結果が陽性で感染していた場合、ノロウイルスが排出され陰性の検査結果が確認されるまで自宅待機を継続します。
  2. 十分に加熱をする。
    中心温度が85℃~90℃で90秒以上の加熱を行います。
    中心温度計という食品の中の温度を測る器具を使い、食品の中心温度を3点以上測定します。
  3. 手洗い・消毒
    次のタイミングで必ず手洗い、消毒を行います。

    • 厨房に入る時
    • 下処理などを行う汚染作業区から、調理などを行う非汚染作業区に移動する時
    • 作業開始前・調理盛り付けなどの作業工程が変わる時
    • 生の食肉類・魚介類・卵など触れた後
    • 顔や髪に触れた後
    • 残飯など汚物に触れた後
    • トイレ使用後特に汚れの残りやすい指先、指の間、爪の間、親指の周り、手首、手の甲をしっかりと洗うようにします。

    2度洗うと効果的で、洗った後はペーパータオルでしっかりと水気を拭き取り、アルコールで消毒をします。

  4. 殺菌・消毒
    次亜塩素酸ナトリウムを使用するか、加熱をすることで殺菌・消毒を行います。
    まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオルなどは85℃以上1分以上の加熱を行うと効果があります。

 

・最後に

委託給食会社には、今回お話ししたようなノロウイルス対策のマニュアルがあります。

ただ、やはり重要なのは、ひとりひとりが予防と危機管理の意識を持つことです。
そういった意識付けも、委託給食会社では行われています。

ノロウイルスは11月ごろから増え始め、12月~1月頃がピークと言われていますが1年を通してみられます。
特に春先くらいまでは注意が必要となりますので、しっかりと予防をしていきましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事