減塩しょうゆ、減塩みそ、減塩梅干しなど…。
私たちは普段から「減塩」という商品や言葉をよく見聞きしますね。
塩分を抑えることは、血圧をコントロールし、脳梗塞や心臓病など様々な生活習慣病の予防になります。
全般的に塩分が高い和食ベースの日本人にとって、減塩は常に意識するべき課題と言えるでしょう。
日本人の塩分摂取の目標量は男性7.5g、女性6.5gですが、この数値は「平均摂取量10g程度」という日本人の現状に合わせて設定されたものです。
世界の基準では5gに抑えることが推奨されていますので、できるだけ薄味を心がけていく必要がありますね。
とはいえ、味付けは料理の美味しさに直結するもの。
薄味にしても食の楽しみは失わずにいたいです。
ではどうしたら、食事を楽しみつつ美味しい減塩ができるのでしょうか?
1)「素材の味」を感じてみよう
そもそも、食べ物には素材の味があります。
新鮮なお肉や魚は臭みも少なく、塩などを少量かけただけで美味しく食べられますね。
夏場の採れたてのトマトはそのまま食べても絶妙の甘味や酸味がありますし、熟したカボチャやサツマイモは火を通せば味付けをしなくてもそのまま楽しめます。
ほうれん草や小松菜なども、旬の新鮮な物は全然味が違うため、同じ食材でも別物と思われるほどです。
薄味にするには、このような味の良い素材を選ぶことも大切になります。
全てをこだわって選ぶのは難しいのが現実ですが、薄味にしやすいというメリットも考慮して、素材のグレードを上げるのもお勧めです。
中でも野菜類は塩分を外に出すカリウムが多く、血圧を下げるためにもたっぷり食べたいもの。
塩分控えつつ量を増やせたら、身体への恩恵満載ですね♪
美味しい野菜に出会うために、採れたての地元野菜を売るお店や、農家の直売などを覗いてみるのはいかがですか?
事前に注文して運ばれてくる宅配の野菜も、新鮮な物が送られてくる率が高いです。
コロナを機に、農家さんから直接買えるネット通販なども益々充実してきています。
このような仕組みを使って、美味しい素材を探してみるのも良いですね。
また、素材の味を引き出しやすい調理法は、「蒸す」という方法。
特にこれからの時期美味しい根菜類は、煮物にするとつい濃い味付けになってしまいがちです。
レンコン、カボチャにじゃが芋などは、蒸すことで甘味や旨味も逃さず火を通すことができ、付け合わせや温野菜サラダなどで使えます。
ブロッコリーも、多量の水で茹でるより「蒸す」のが栄養も逃げず調味料を控えやすいですよ。
さらに汁物を作る時、根菜類は弱火でゆっくり煮ると旨味や甘味がよく出てきます。
この時期なら大根、にんじんが甘味の出やすい野菜ですし、一緒にきのこ類を入れると旨味もグンと増します。
野菜の味が引き出された汁は、ほんの少しの調味料で満足いく味付けになりますよ♪
以前ご紹介した「具ばっかり汁」のように、具が外に出るほど具だくさんにする事も、塩分を抑える効果的な方法です。
まだ実践していない人は、ぜひお試し下さいね。
2)食感や刺激を加える
生姜、わさび、辛子、ラー油などの香辛料は、味にインパクトを与え、調味料を減らすことに貢献してくれます。
炒め物や煮物に生姜や唐辛子などを少し加えると、味がはっきりと感じやすくなるのです。
小さなお子さんがいるなどの理由でこれらの香辛料が使いにくい場合は、加えたい人の分だけ最後におろし生姜を加えたり、一味や七味唐辛子をかけると良いでしょう。
またパリパリカリカリした食べ物は、食感にメリハリを与えてくれますね。
程よい歯応えのある食材を加えると、薄味でも美味しく食べられます。
例えば、野菜サラダにクルミを加える、ゴマやアーモンドを少し多めに使って和え物にするといった方法です。
「焼き海苔」も和え物に使うと、風味を増して調味料を控えやすくしてくれますが、すぐにしんなりなってしまうのが難点。
食感も楽しみたい人は、直前にちぎってサラダや和え物に上からかけるのも良いですよ。
油揚げを入れる時には、グリルで少し焼いてカリカリにしてから和えると、同じ料理でも薄味で楽しみやすくなります。
さらに、ちょっと「コク」や「酸味」を加えるのも減塩のコツ。
コクを出すために、少量の油をうまく使っていきましょう。
和え物には、ほんの少しのごま油やオリーブ油を加えるとコクが増して少ない塩分でも気になりません。
餃子を食べる時には「酢」を多めにしたり、お浸しに「ポン酢醤油」をかけるなど、「酸味」を積極的に使うと自然に塩分が下がりやすくなります。
ちなみにマヨネーズは「コク」と「酸味」を兼ね備えた減塩しやすい調味料。
ケチャップと一緒に「オーロラマヨネーズ」、味噌と一緒に「味噌マヨネーズ」、わさび醤油に加えた「わさびマヨネーズ」など、他の調味料とブレンドしやすいのも特徴です。
但しカロリーは高いので、体重が気になる人は使い過ぎにご注意を!
3)本当に必要?かける調味料は控えめに。
最後に、料理を作らない人でも実践しやすい減塩の鉄則は、テーブルに置いてある塩や醤油、ソースなどの調味料を控えめにすることです。
まずはかける前に「本当に必要か?」を考えてみましょう。
「トンカツやコロッケにはソースをかけるもの」という先入観を捨て、一口食べてみてから必要に応じてかける習慣が大切です。
お寿司やお刺身の醤油も、皿に並々と注ぐとつい付け過ぎになりがち。
小さじ1杯でおよそ1gの塩分がありますから、なくなったら足すという気持ちで少しずつ加えていきたいですね。
少量ずつ出るプッシュタイプやスプレータイプの醤油差しもあるので、お皿に入れると付け過ぎる人は、これらの活用もお勧めです。
お弁当などに付いてくる袋の調味料も、「何かに使うもの」と考えて、かけるおかずを探していませんか?
シューマイや春巻きなど、しっかりと味が付いていてそのままでも美味しく食べられるケースも多いですよ。
可能な場面で少しずつ量を控えていくことで、舌も薄味に慣れていきます。
素材の味を大切にして調味料の必要量を見極め、楽しい減塩生活を送って下さいね!
エミ