給食会社から突然の契約解除!?背景にある米の価格高騰と対応策

 

米の価格高騰が連日のように伝えられている。
私が社員食堂や社会福祉法人の給食担当と商談しているときも、米の価格の話題が上がらないことはありません。
また、昨年末からお客様からご相談を受けるのは、「米の価格が上がっているけれど、給食会社は飲食のプロだからいい解決策があるのではないか」というものです。

給食会社は規模の大小はあれ、相応の規模の食材を取り扱っています。
特にお米は社員食堂だけでなく老人ホームや保育所、各福祉施設でも必ず使用する超重要な食材です。
もちろん取扱量も多くなります。
そういうイメージがあるため、お客様は「スケールメリットを活かした安価な納品」や「市場には出回っていない特別なルート」を各給食会社がそれぞれ独自に持っていて、「今契約している給食会社がお米(およびその他食材)の価格高騰を理由に値上げを申請してくるのは企業努力が足りないのではないか」と考えて、他社に話を聞いているのです。

残念ながら給食会社も、お米の価格対策では苦戦しています。
確かに一般に流通している米よりは少し安価な業務用の米を使用していますが、その業務用米も同じように高騰しているのです。

給食会社は委託契約で決められた食材費(販売価格)でお食事を提供する事業ですが、その価格内で提供が難しくなっているのが現状です。
給食会社が価格交渉を求めてくるのは、利益を増やしたいからではなく、契約で決められた価格での食事提供が困難だからです。

もちろん企業や法人も予算があるため、給食会社からの申し出の全てに応じることはできないのでしょう。
価格据え置きを決定するケースも多いようです。
以前なら給食会社も様子を見ることができました。
しかしながら昨今の米の価格高騰は前例のないものであり、先述のとおり給食会社も約束した内容の食事を提供することは難しくなる一方であるため、最近では給食会社から契約にもとづく契約解除を申し入れるケースが増えています。

特に老人福祉施設をはじめとする福祉施設のご担当者から「給食会社から契約解除を受けてしまった、どうしよう?」というご相談を昨年から受けるようになりました。
前々から面談していただいたので力を貸したいと思うのですが、条件を聞くと現在のお米(その他食材)の高騰に対応できない価格帯となっているため手を挙げられません。
競合他社も同じです。
現業者との契約解除まであと2~3ヶ月というタイムリミットがある中で、価格面の条件が厳しいため給食会社は協力したくてもできないという状況なのです。

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解決策は、従来のスタイルの給食提供を諦め、ケータリングやお弁当といった方法に変更すること、あるいは現価格帯を現状にあわせたものにして業者を募ること、以上のふたつになるでしょう。
いずれにせよ、契約解除までの時間的余裕がないため状況は厳しいと言わざるを得ません。

私が給食の営業担当として言いたいのは、お米の価格高騰は国レベルの問題であるため、給食会社の企業努力ではどうにもならない問題になっているということです。
給食会社からの解約・撤退、その後の業者探しに苦戦して、食事提供の危機に瀕する事態を避けるために、現在の給食会社とコミュニケーションを密にするとともに、普段から他の給食会社とパイプをつくって給食業界をとりまく状況を把握しておくといいでしょう。

社員食堂、福祉施設の給食サービスならケイ・エフ・ケイ

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